ワールド・ロジ倒産危機と事業再生ADR

スポンサードリンク
ワールド・ロジが倒産危機ですが、事業再生ADRで債務削減を行い、債務超過の状況からの事業再生を模索しています。ワールド・ロジは、年間の売上高とほぼ同額の債務超過があり、倒産危機から脱出することができるのか注目ですね。

(1)事業再生と企業支援

倒産危機の会社は、債権放棄や増資、債務保証などの支援先を探すことで、倒産危機を乗り切ろうと模索しています。倒産後にスポンサーを探すことで、生き残る会社もありますが、ワールド・ロジはどのようにして倒産危機を乗り切るのでしょうか。

(2)ワールド・ロジの会社概要と連結子会社

ワールド・ロジ倒産危機と事業再生ADRの申請について、2013年3月12日の東京商工リサーチが、ワールド・ロジ(株)ほか3社 [大阪]物流一括受注事業ほか事業再生ADR申請~JASDAQ上場企業~と報じているので見てみましょう。
  • ワールド・ロジ(株) 設立平成9年12月22日 資本金28億333万円 森田賀典社長 従業員24名
  • 連結子会社(株)ワールドソリューションズ 設立平成20年7月1日 資本金2000万円 佐藤眞人社長 従業員49名 
  • 連結子会社(株)WLパートナーズ 設立平成15年10月27日 資本金3750万円 元屋地敬次郎社長 従業員2名
  • 連結子会社(株)リサイクル・アンド・イコール 設立平成15年7月31日 資本金4億500万円 関宏方社長 従業員15名)
ワールド・ロジはジャスダック上場企業ですが、倒産危機にあり事業再生ADRにより負債削減に取り組んでいるようですね。

(3)事業再生ADR手続の開始

3月11日、事業再生実務者協会に対して事業再生ADR手続にかかる正式な利用申請を行い、同日受理された。また、同日付で取引金融機関に対して、「一時停止の通知書」を送付した。 
平成24年6月期末時点のワールド・ロジ(株)単体の負債総額は54億1438万円である。
ワールド・ロジは倒産危機への対応として、事業再生ADRを選択しています。
  1. ワールド・ロジは債務者
  2. 金融機関などの債権者
  3. 第三者
ワールド・ロジの選んだ事業再生ADRは、当事者以外の第三者が仲裁かあっせんにより、解決の道を探る方法ですね。

(4)ワールド・ロジの業績推移

  • 平成19年6月決算 売上高34,463,032(千円) 当期純損益83,714(千円)
  • 平成20年6月決算 売上高34,555,246(千円) 当期純損益160,901(千円)
  • 平成21年6月決算 売上高16,424,012(千円) 当期純損益△3,761,647(千円)
  • 平成22年6月決算 売上高9,074,943(千円) 当期純損益△1,527,237(千円)
  • 平成23年6月決算 売上高6,592,286(千円) 当期純損益△867,372(千円)
  • 平成24年6月決算 売上高5,608,338(千円) 当期純損益△6,190,216(千円)
  • 2012年2月13日 継続企業の前提に関する事項の注記
ワールド・ロジの決算情報について見てみると、4期連続で最終損益が赤字になっており、継続企業の前提に関する事項の注記が記載されています。ワールド・ロジは、倒産寸前であり経営危機の状態にあると言えます。

(5)ワールド・ロジの業務内容拡大

ワールド・ロジは流通センターの運営請負など物流システムをトータルで提案・構築・運営する「3PL」(サードパーティ・ロジスティクス)事業を主力とする大手物流会社。当社を中核にグループを構成し、金融事業、リサイクル事業、ビジネスサポート事業を展開していた。
ワールド・ロジの業務内容について見てみましょう。
  • 3PL(サードパーティ・ロジスティクス)事業を主力とする物流事業
  • 金融事業
  • リサイクル事業
  • ビジネスサポート事業
ワールド・ロジが主力とする、3PLとは簡単にまとめると、倉庫管理から配送までを請負い、物流の効率化の提案なども行う、物流の受託業務と言えると思います。

(6)金融債務削減のために事業規模を縮小

しかし、その後は事業拡大路線の影響から金融債務が高依存で、売上に比して採算面が低調に推移であったことから、物流業務に経営資源を集中させる方針に転換し事業規模は縮小。
ワールド・ロジが倒産危機になった原因は、事業拡大路線の影響のようですね。ワールド・ロジは、リストラにより本業に集中することで経営再建を目指しているようです。

(7)売上の減少と4期連続赤字

その様な中、23年6月期には東日本大震災の発生に伴い大手顧客からの受注減を余儀なくされ47億2026万円と前期比約17億円減収、3期連続赤字となった。 
24年6月期は前期に引続き景気低迷と競争激化で39億5141万円まで売上は減少。利益面は経費圧縮に努めたものの、不採算事業の縮小に伴って固定資産除却損26億7795万円、減損損失11億9200万円を計上したことで、50億4895万円の債務超過に転落。
ワールド・ロジは、リストラによる本業回帰により経営再建を模索していましたが、4期連続の赤字により債務超過になっており、倒産危機になっていることが分かりますね。

ワールド・ロジの倒産危機の原因の一つに、固定資産除却損や減損損失などの計上が多額であることはポイントであると思います。

(8)上場廃止の可能性と企業再建

9月27日、大阪証券取引所より上場廃止に係る猶予銘柄に指定されるなど、経営再建が厳しい状況に陥っていた。その為、当社グループに於いて、上場維持を前提とした強固な収益体質の確立と抜本的な財務体質の改善を図るためには、取引金融機関より金融支援を取り付けなければならなかったことから、今回の措置を採った。
ワールド・ロジは債務超過により倒産危機ですが、大阪証券取引所から上場廃止の可能性を指摘されています。

ワールド・ロジは倒産しないために、金融支援を模索していますが、年間の売上高に近い金額の債務超過であり、かなり厳しい状況であると言えるのではないでしょうか。

(9)債権放棄10%以上を要請の計画

尚、当手続に於いては、債務の総額の10%以上の債務免除を受けることを計画している。今後取引金融機関と事業再生計画案の協議を行う方針で、3月25日に第1回債権者会議が行われる予定。
ワールド・ロジは債務超過のため倒産危機ですが、事業再生ADRの申請により債務削減を目指しています。ワールド・ロジが10%の債務削減に成功したとしても、売上高とほぼ同額の債務超過であり倒産危機から事業再生するのは難航しそうですね。

ワールドロジ倒産破産と上場廃止を見ると、金融機関などの債権者から債権放棄を断られており、事業再生ADRを断念していますね。ワールド・ロジは民事再生ではなく、自己破産を選んでおり、債権者との信頼関係が悪化していた可能性がありそうですね。
スポンサードリンク

::


0 件のコメント:

コメントを投稿

最近の記事
Google を含む第三者配信事業者は、Cookie を使用して、ユーザーのウェブサイトでの閲覧履歴に基づく広告を配信します。 Google 広告 Cookie を使用することにより、Google や Google のパートナーは当サイトや他のサイトへのアクセス情報に基づく広告をユーザーに表示できます。 ユーザーは広告のオプトアウト ページ
で Google 広告 Cookie を使用しないよう設定できます(また、Network Advertising Initiative のオプトアウト ページでも第三者配信事業者の Cookie の使用を無効にできます)。