(1)環境の変化による倒産
映画産業やメディアなど、従来であれば倒産をあまり考えられなかった業界で倒産が発生しています。業界の環境変化や新しい技術の登場により、倒産に至ることがあることが分かりますね。コンテンツやコンセプトが評価される企業であっても、消費者は優秀なため、価値あるものを見つけていきます。トレンドに対応した経営を行わないと、環境の変化により、企業は倒産していくことが分かるのではないでしょうか。
(2)資本金の金額
帝国データバンクが2013年3月8日に着メロサイト運営業者が特別清算と報じているので見てみましょう。「東京」(株)ユナイテッド・ワールド・ミュージック(資本金1111万1000円、千代田区麹町1-12、代表清算人吉浜直人氏)は、2月27日に東京地裁より特別清算開始決定を受けた。ユナイテッド・ワールド・ミュージックが倒産しましたが、資本金の金額を見ると、ぞろ目が並んでいます。CM製作会社などからの出資を受けて設立されたクリエイティブな会社ですので、遊び心があったのではないでしょうか。
(3)CM製作会社などが出資
当社は、2003年(平成15年)8月にCMソングの著作権や原盤を有するCM制作会社などからの出資により設立。CMソングに特化した着メロサイト「直営CM♪EXPRESS」や着うたサイト「唄う!直営CM♪EXPRESS」などの運営を手がけていた。ユナイテッド・ワールド・ミュージックは、CM製作会社の出資などにより設立されています。
- 着メロサイト「直営CM♪EXPRESS」
- 着うたサイト「唄う!直営CM♪EXPRESS」
(4)ユナイテッド・ワールド・ミュージックの企業概要
自社ホームページのほか、大手携帯電話メーカーなどの携帯電話サイトを通じて、テレビCM音楽やゲーム音楽等の音楽系、お笑い芸人ボイス、アイドルを中心とした電子書籍など多様なコンテンツを提供。ユナイテッド・ワールド・ミュージックの倒産前の業務について見てみると、コンテンツの販売が中心となっていることが分かります。音楽はiTunes、電子書籍はアマゾンが有名であり、競争が激しかったのかもしれないですね。
(5)ラジオ放送局の子会社に
2005年4月には大手ラジオ放送局系列のモバイルコンテンツ配信業者の連結子会社となり、2006年3月期の年収入高は約9000万円を計上していた。ユナイテッド・ワールド・ミュージックは倒産しましたが、公式ホームページで、親会社であるジグノシステムジャパン株式会社の参加に入ったことを表明しています。
(6)赤字が解消せず 運転資金が困難
しかし、設立以来欠損計上が続き、脆弱な財務体質を余儀なくされ、親会社からの借り入れを中心に運転資金を繰り回すなど、苦しい資金繰りとなっていた。ユナイテッド・ワールド・ミュージックは、倒産しましたが、東京商工リサーチは平成24年3月期は年商約1億1500万円に対して、親会社からの長期借入金が約1億6000万円(24年3月期決算時点)となっていたことを報じています。
(7)ユナイテッド・ワールド・ミュージックの運転資金と借入金
ユナイテッド・ワールド・ミュージックは、会社設立から通算の利益が赤字の状況が続いており、欠損計上を解消できなかったようですね。ユナイテッド・ワールド・ミュージックは倒産前に、親会社からの長期借入金があったようですが、運転資金が短期借入金ではなく長期借入金であったとすれば、グループ内部の資金管理がやや甘いかもしれないですね。
(8)親会社が吸収
こうしたなか、グループ内の経営効率化の一環として、当社が行っていた事業を2013年1月1日付で親会社が継承し、1月10日開催の株主総会の決議により解散していた。 負債は、現在調査中。ユナイテッド・ワールド・ミュージックは会社解散を決議しており、裁判所の決定を待っていたようですね。ユナイテッド・ワールド・ミュージック倒産の理由は、管理人の推測ですが、スマホユーザーの増加により、着メロや着うたのニーズが減少したこともあるのではないでしょうか。
ユナイテッド・ワールド・ミュージックが、音楽離れの影響やスマホの販売台数増加の影響をどのように受けたのか、気になるところですね。 スポンサードリンク
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