(1)キプロス破綻回避と預金封鎖
キプロスが破綻回避のために、ユーロ圏からの金融支援を受ける引き換えに、銀行預金に対する課税を発表しています。キプロスは銀行預金封鎖と預金没収を発表しており、ロシアを中心とした海外資産家の預金に狙いを定めたとの指摘もありました。キプロスは預金没収の法律が可決しておらず、国家による資産没収と不透明感が嫌気され、国債利回り急騰やユーロ安などのキプロスショックが発生しています。
キプロスショックにより為替相場はユーロ安になりましたが、ユーロ圏内ではドイツが自動車などの輸出産業に競争力があるため、キプロスショックの恩恵を受ける国もありそうですね。
(2)キプロスが少額の銀行預金を全額保護か
キプロスショック破綻と預金課税について、2013年3月19日のロイター通信がユーロ圏財務相会合、キプロスに少額預金の全額保護を要請と報じているので見てみましょう。ユーロ圏財務相会合は18日、キプロスに対し少額預金の全額保護を求める声明を発表した。キプロスショックは銀行預金封鎖と預金課税により発生しましたが、預金課税の内容について国家倒産キプロスで銀行預金封鎖の理由から簡単にまとめます。日本も、第二次世界大戦中に貴金属を没収しており、敗戦後は預金封鎖後に銀行預金を没収しました。
(3)キプロスの預金課税と少額預金
- 国内外の銀行預金者
- 銀行預金10万ユーロ超の預金からは9.9%の預金課税
- 銀行預金10万ユーロ以下は6.75%の預金課税
EUが、キプロスを無条件に支援することになれば、他国の富裕層を一般市民の税金で救済するという意味不明なことになります。キプロスは、預金封鎖を行っていますが、預金課税を行うためには法案の成立が不可欠ですが、国民や野党の反発により、少額預金の課税がなくなる可能性があります。
(4)ユーロ圏財務相会合は少額銀行預金者保護に言及
ユーロ圏財務相会合はこの日、キプロス支援をめぐる電話会議を実施。会合後に声明を発表し「ユーログループはキプロスの少額銀行預金者が、大口預金者と別に扱われるべきと確信しており、10万ユーロ下回る預金の全額保護の重要性を再確認した」と表明した。キプロスショックに対して、銀行預金課税に対する反発を和らげるために、ユーロ圏財務相会合は、10万ユーロを下回る少額銀行預金者の全額保護の重要性が言及されています。キプロスは少数与党のため政治的配慮が必要でしたが、少額預金に配慮しなかったため、ユーロ圏が不必要に世界経済を混乱させたようですね。
ベネズエラ破綻の理由をまとめましたが、外国が国家崩壊しかけているときに、国益がなければ援助する国はありません。キプロスが破綻すれば、ユーロ圏の金融システムに飛び火するリスクがあるため、支援はするものの預金課税により国家破綻の責任を負わせるということでしょうね。
(5)キプロスの大口預金は預金課税は増税か
声明は、銀行預金の課徴金について、全体の徴収額を変更しないという条件の下で「キプロスが3月16日の合意よりも一段の累進性を導入する」と明記。キプロスショックのキプロス国民への影響緩和のために、少額預金は全額保護変更の可能性がでています。富裕層は、どの国でも全体の一部に偏っているため、一般家庭に預金課税を行えば生活破綻が止まらなくなります。
キプロスだけでなく、民主国家は経済改革にも国民の支持が必要になるため、預金課税を強行すれば想定外の批判が発生することにも繋がるでしょう。キプロスの預金課税の総額は、少額預金の全額保護により課税総額は減少しますが、大口預金課税を強化することで預金課税の総額は維持するようですね。
(6)預金封鎖の期間延長
キプロス国内の銀行が、金融部門の安定を確保するため、3月19-20日を休業とすることも明らかにした。キプロスの預金封鎖と預金課税スケジュールの当初予定について、国家倒産キプロスで銀行預金封鎖の理由を見ると預金封鎖期間が延長されたようですね。
- 2013年3月15日金曜日 夕方にキプロス国家倒産回避の支援策を発表
- 2013年3月16日土曜日 休日
- 2013年3月17日日曜日 休日
- 2013年3月18日月曜日 キプロスの銀行が休業、高額預金引き出しできず
- 2013年3月19日火曜日 銀行預金が目減り←銀行休業、預金封鎖の延長に変更
- 2013年3月20日水曜日 銀行休業、預金封鎖の延長に変更
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