(1)映画産業と倒産
映画産業の会社で倒産が発生していますが、海外企業との競争や環境の変化で倒産する企業があり、映画産業の中でも経営にかなり差があることが分かります。映画産業は、クリエイティブな業界であり資金繰りが良好であるとイメージを持たれている方が多いかもしれませんが、製作から映画館の運営まで競争が激しいようですね。
(2)ゴー・シネマが特別清算
ゴー・シネマ倒産の理由について、2013年3月22日の帝国データバンクが、「闇の子供たち」の映画配給会社、特別清算開始決定受けると報じているので見てみましょう。(株)ゴー・シネマ(TDB企業コード989799679、資本金9000万円、東京都渋谷区渋谷2-22-16、代表清算人坂上直行氏)は、3月12日に東京地裁より特別清算開始決定を受けた。ゴー・シネマ倒産の理由を見ると、特別清算を選んでおり、株主が解散を決議していたことが分かります。ゴー・シネマが倒産を決断しましたが、企業概要と業績について見てみましょう。
(3)ゴー・シネマと映画配給
当社は、2007年(平成19年)10月に、シネマコンプレックスの運営企業や映像関連事業を手がける企業などの出資により設立された映画配給業者。全国の映画館を対象に、比較的中規模の作品を中心に国内外の映画配給を手がけ、製作会社や製作委員会、配給権利者から配給業務を受託していた。ゴー・シネマは、映画配給会社として企業の出資により設立された映画配給業者ですね。ゴー・シネマは倒産しましたが、企業の存在目的の一つが、出資企業との取引や取引円滑化が目的であったのかもしれないですね。
(4)ゴー・シネマ倒産と強み
業界に精通した代表の人脈などを活用し、「闇の子供たち」(原作:梁石日、監督:阪本順治、出演:江口洋介、宮崎あおい、妻夫木聡ほか)、「R246 STORY」(出演:浅野忠信、中村獅童ほか)などの有力作品の配給を手がけ、2009年3月期には年収入高約2億9500万円を計上。ゴー・シネマは倒産しましたが、強みは代表者の人脈であったようですね。ゴー・シネマは、特別清算により倒産しましたが、強みが組織や技術ではなく代表者であるのであれば、解散した理由も納得できますね。
(5)チェルノブイリ・ハートを手がける
近年は、2003年に第76回アカデミー賞短編ドキュメンタリー映画賞を受賞した「チェルノブイリ・ハート」など、話題性のある作品を多く手がけていた。ゴー・シネマの有名作品として、チェルノブイリ・ハートがあるようですが、ご存知の方は多いのではないでしょうか。
(6)ゴー・シネマ倒産の背景と業績
しかし、趣味・娯楽の多様化や個人消費の不振などから、経営環境は厳しかったうえヒット作も少なく、設立以来赤字決算が続き債務超過に陥っていたなか、3月6日の株主総会において解散を決議していた。負債は2012年3月期末時点で約2億8900万円。ゴー・シネマ倒産の背景と業績について、複数の要因が語られているので簡単にまとめると、以下のようになります。
- 消費者の趣味や娯楽が多様化
- 個人消費の不振
- ゴー・シネマはヒット作が少ない
- 設立以来赤字決算が続き債務超過
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