(1)語学学校倒産時の特徴
NOVA以外に、語学学校聖林言語学院 倒産の理由で、語学学校の債権者の特徴について簡単にまとめました。NOVAの倒産もそうですが、信託などにより厳密に管理しなければ、生徒の前受金が返還されないという問題が生じます。大手企業の中には消費者の信頼を生かして、倒産寸前であっても積極的な営業を続けている会社もあります。長期契約や前受金の支払い、金額の高い取引などを行うときは慎重に判断することが重要であると言えます。
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(2)NOVA破産管財人の損害賠償請求金額と和解金が安い
資金流出で損害賠償の請求
NOVA倒産横領と和解金が安いことについて、産経新聞2013年3月13日が、ノヴァ元社長、2000万円支払いで破産管財人と和解 大阪地裁と報じているので見てみましょう。英会話学校「NOVA」の経営会社「ノヴァ」(破産手続き中)元社長、猿橋(さはし)望受刑者(61)=業務上横領罪で懲役2年確定、収監中=が不要な取引で資金を流出させたとして、同社の破産管財人が猿橋受刑者に約21億3000万円の損害賠償を求めた訴訟は13日、猿橋受刑者が2000万円を支払う内容で、大阪地裁(松田亨裁判長)で和解が成立した。猿橋受刑者の代理人弁護士が明らかにした。NOVAが倒産しましたが、NOVAの破産管財人は猿橋氏が倒産前に不要な取引により会社に損害を与えたとして訴訟が行われていました。
配当金は損害賠償請求の1%未満
- NOVA破産管財人約21億3000万円の損害賠償を求めた訴訟
- 猿橋受刑者が2000万円を支払う内容
NOVAの倒産は、語学学校受講者や業界に衝撃を与えたことで有名と思いますが、破産管財人は和解金が少額にとどまった理由について、説明すべきではないでしょうか。
(3)優先的破産債権と劣後的破産債権
管財人によると、解決金は従業員の未払い給料などにあてられるため、前払いの受講料を支払ったが返還されていない受講生らには配当されないという。NOVAは倒産しましたが、残った資産から得られる配当は均等に配分されるわけではありません。
- 優先的破産債権 従業員の給料など
- 劣後的破産債権 授業料や銀行融資など
ミュゼプラチナム倒産の危機をまとめましたが、NOVAとミュゼは、前払金ビジネスを行なっていることが共通しています。NOVAとミュゼを比較すれば、ジンコーポレーションは倒産していないため、解約金を素早く回収することが重要になるでしょうね。
(4)オーナーの子会社に資金プールと破産管財人の問題点
管財人は、猿橋受刑者が平成16~18年、不必要だったのに、自宅で授業を受けるための機材を自らがオーナーのソフトウエア開発会社から総額21億3628万円で購入したりし、会社に損害を与えたとして提訴。管財人は同じ内容で猿橋受刑者を特別背任罪で大阪地検に告発したが、地検は嫌疑不十分で不起訴とした。NOVAは倒産前に、オーナーが保有する子会社から機材を購入する形で20億円以上の資金が流出しているようですね。
NOVA破産管財人は、このお金を取り返すために提訴していますが、和解金の金額があまりにも安い理由を、オーナー保有の子会社の現状の資産やオーナーの個人資産に言及して説明すべきではないでしょうか。
(5)NOVA社員積立金の横領
猿橋受刑者は破綻(はたん)直前に社員積立金3億2000万円を流用した業務上横領容疑で20年6月に逮捕。実刑が確定し、今年1月に収監された。NOVAの倒産により、社員積立金の横領や授業料の前払い資金などが返還されず、被害にあわれた方は多いのではないでしょうか。NOVAは大手語学学校であり、まとまったお金もあったことから、信託を活用して資金管理を厳密にしていれば、破綻による被害者を減らすことができたのかもしれないですね。 スポンサードリンク
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