(1)設備投資後に経営不振で倒産
設備投資後に、売上の低迷により、倒産する会社があります。香川飼糧倒産の事例もそうですが、中小企業は大企業と比較して経営体力が限定されるため、設備投資の失敗は倒産に直結することになります。香川飼糧倒産の理由を見ると、飼糧価格の値上がりによる費用の増加や販売価格の低迷があげられており、設備投資後に経営不振で倒産したようですね。
(2)香川飼糧が破産申請
香川飼糧倒産の理由について、2013年3月16日の朝日新聞が、香川飼糧が破産申請 負債総額17億円と報じているので見てみましょう。帝国データバンク高松支店と東京商工リサーチ高松支店は15日、飼料卸売業者「香川飼糧」(観音寺市出作町)が事業停止し、高松地裁観音寺支部へ破産を申請した、と発表した。香川飼糧は、香川県の飼料卸売業者であり、破産申請を行い倒産しています。
(3)香川だけでなく四国最大の倒産
負債総額は17億5800万円とみられ、四国では今年に入って最大の見通し。香川飼糧の倒産は、四国で今年最大規模のようですね。香川飼糧の倒産規模は、四国最大規模ということは、四国経済にどういった影響を与えるのか気になるところですね。
(4)香川飼糧の破産理由と業界動向
両支店によると、香川飼糧は1952年創業。県内や四国各県で鶏卵業者や畜産業者、農協に飼料を販売してきた。養鶏場も所有していたが、鶏卵価格が低迷。トウモロコシなど飼料の価格が高騰し、採算面で苦戦を強いられていた。香川飼糧の破産理由を見ると、少なくとも二つの事業を行っており、どちらの事業も経営が悪化していたようですね。
- トウモロコシなど飼料の価格が高騰
- 鶏卵業者や畜産業者、農協に飼料を販売
- 養鶏場を所有、鶏卵価格が低迷
(5)飼料価格の値上がりと本業の圧迫
香川飼糧が、飼料価格の値上がりにより、利益が減少する理由について、簡単に見てみたいと思います。- 飼料販売の利益減少=飼料販売価格-飼料仕入価格(飼料仕入価格の高騰)
- 鶏卵の利益減少=鶏卵価格(鶏卵価格の低迷)-鶏の肥育コスト(飼料仕入価格の高騰)
(6)香川飼糧の売上が低迷
ピーク時の97年6月期には売上高29億円を計上していたが、2012年6月期は18億円に減っていた。香川飼糧は飼料卸売業者ですので、飼料仕入価格と販売価格の差額が利益に繋がります。香川飼糧は、売上高が大きく減少しており、倒産に繋がったのでしょう。
(7)設備投資の負担増加と中小企業金融円滑化法の適用
香川飼糧倒産の理由と背景から分かる問題点について、2013年3月16日の四国新聞が香川飼糧が自己破産申請/負債17億円と報じているので見てみましょう。しかし、その後、養鶏業界の競争激化で納入先だった小規模業者の淘汰(とうた)が進み、販売量が減少。販売価格の低下や、過去の設備投資の負担増が響き、10年6月期以降、赤字が続いていた。中小企業金融円滑化法の適用も受けたが、収支改善は図れなかった。香川飼糧倒産の理由について、四国新聞が報じている内容を見ると、取引業者との関係や経営状況が分かると思います。
- 納入先の小規模業者の販売量減少
- 販売価格の低下
- 過去の設備投資の負担増
- 10年6月期以降、赤字(3期連続赤字と推測)
- 中小企業金融円滑化法の適用するも経営再建失敗
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