(1)食品企業の倒産
食品企業が倒産した事例を見ると、業績不調に陥ると、過去に投資した店舗や工場の投資が無駄になるリスクがあることが分かると思います。マーベラスクリームは倒産しましたが、肉巻きおにぎり店やファクトリーナカタも話題性があって倒産していますので、流行により過剰投資で倒産する企業があることも分かります。
(2)マーベラスジャパンが破産開始決定
マーベラスジャパン倒産の理由について、2013年3月12日の東京商工リサーチが、株)マーベラスジャパン[広島]アイスクリーム製造 破産開始決定/負債総額7億6954万円~冷やした大理石上での店頭パフォーマンスが話題に~と報じているので、見てみましょう。(株)マーベラスジャパン(TSR企業コード:722019785、福山市曙町4-5-12、設立平成17年12月、資本金2700万円、伊藤慶太社長)は平成24年12月26日、広島地裁福山支部に破産を申請し25年2月28日、破産開始決定を受けた。破産管財人には三谷浩二郎弁護士(三谷総合法律事務所、福山市若松町2-13、電話084-973-4822)が選任された。「破産申立書」に基づく負債総額は7億6954万円。マーベラスジャパンが、破産申立書を申請し、倒産していますのでその内容について見てみましょう。
(3)マーベラスクリームとマーベラスジャパン
18年9月から関西のショッピングモール3店舗に出店しアイスクリームの製造を開始、19年2月からFC1号店を出店して店舗展開が急加速、同年6月ビジネスゲート(株)(TSR企業コード:296840297、品川区)と業務提携を行い、同社がマーベラスクリームのFC本部を務め、加盟店の開拓代行などを行い全国展開していった。マーベラスクリームは倒産しましたが、マーベラスクリームの会社概要を見ると、ビジネスゲートのホームページに移動するため、両社の密接な関係が分かると思います。
(4)マーベラスクリームの特徴 コールドストーンではない
特徴としては、アイスパティシエがマイナス16℃に冷やした大理石の上でアイスクリームとミックスアイテム(ケーキ、フルーツ等)を混ぜて提供するミキシングアイスとして百貨店の催事で好評を博し、ショッピングモールなどに出店、20年7月には海外第1号店としてシンガポールに出店した。マーベラスジャパンは倒産しましたが、アイスの内容を見るとコールドストーンを思い浮かべた方がいるのではないでしょうか。
21年3月には広島市で初の路面型店舗を出店し、同年7月には新タイプの「パティスクリーム」、「グランシエール」を開発して品揃えを増加していった。
倒産したマーベラスジャパンとコールドストーンは、別の会社ですね。マーベラスジャパンは、倒産するまで出店を急速に加速しています。
(5)店舗数と売上の増加
店舗数を順次増やし、22年6月時点では国内51店舗、海外3店舗となり、ピークとなる23年2月期の売上高は8億3900万円を計上した。マーベラスクリームは倒産するまでに急速に店舗を増やしています。
- 平成18年9月から関西のショッピングモール3店舗に出店
- 平成19年2月からFC1号店を出店
- 平成19年6月ビジネスゲート(株)がマーベラスクリームのFC本部
- 平成20年7月海外第1号店、シンガポールに出店
- 平成21年3月広島市で初の路面型店舗を出店
- 平成21年7月には新タイプの「パティスクリーム」、「グランシエール」を開発して品揃えを増加していった。
- マーベラスクリームの店舗数が70店舗近くまで拡大
(6)流行終了と経営不振
店舗は一時、70近くまで拡大していたが、その後は話題性が下がるとともに売上も減少、大半が不振店となり、撤退・閉鎖を余儀なくされる状況となっていった。マーベラスクリーム倒産理由の一つは、話題性の低下により過剰な投資となりましたが、肉巻きおにぎり店 倒産理由と極楽とんぼ山本で紹介した事例に似ていることが分かるのではないでしょうか。
(7)倒産前の特徴
これとともに支払遅延などが発生するようになり、原材料仕入が困難となった。
23年12月末には正社員17名、臨時社員約50名で運営していた本社工場は社長と連絡が取りづらい状況となって事業を休止、24年1月初旬までは商品の出荷を行っていた。
その後、工場は閉鎖され動向が注目されていたところ、このたび法的措置に至った。マーベラスクリーム倒産前の特徴を見ると、資金繰り困難な企業に現れる特徴を見ることができます。
- マーベラスクリームは、支払遅延などが発生
- マーベラスクリームの原材料仕入が困難
- 社長と連絡が取りづらい状況
マーベラスクリーム倒産の理由を見ると、流行に乗り続けることは困難であることと、倒産前に倒産の兆候が現れていることが分かります。 スポンサードリンク
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