ヤマト樹脂光学 粉飾決算と倒産 融資詐欺で逮捕

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ヤマト樹脂光学が、粉飾決算と融資詐欺で社長が逮捕されました。ヤマト樹脂光学は、取引先に商品を販売したとして、売掛金を元に融資を要請、借入を行っていましたが商品販売を仮装した粉飾決算だったようですね。

(1)銀行融資が不良債権に 突発破綻

銀行が融資を行った後に、突然倒産すると、銀行は莫大なお金を損失として計上する必要に迫られます。企業の業績が徐々に悪化するのであれば、貸倒引当金を段階に応じて積み増しや、資産売却による返済交渉を行うので、損失は少なくなります

小野の事例では、小野から粉飾決算を申し出るまで福井銀行は全く気付かず大きな損失をだしました。ヤマト樹脂光学の事例は、借入金の返済が遅れたことをきっかけに銀行が、粉飾決算に気付いている点が異なります。

(2)売掛金担保融資詐欺の仕組み

債権が架空

ヤマト樹脂光学の粉飾決算と倒産について、2013年2月2日の毎日新聞が<融資金詐欺>債権譲渡「通知やめて」 元社長、隠蔽工作と報じているので見てみましょう。
医療機器販売会社「ヤマト樹脂光学」(東京都千代田区、破産)を巡る融資金詐取事件で、詐欺容疑で逮捕された同社元社長、久保村広子容疑者(79)が、売掛金を担保に融資を申し込んだ際、取引先に債権譲渡の通知をしないように、りそな銀行に要請していたことが捜査関係者への取材で分かった。 
警視庁捜査2課は、取引が架空だということが発覚しないための工作だったとみて調べている。
ヤマト樹脂光学の粉飾決算と融資詐欺の方法について、簡単に説明します。ヤマト樹脂光学は、売上の水増しを行い、架空売掛金を作ったのではないでしょうか。

架空債権による借入の仕組み

  • 売上の水増しを行い、勝手に名前を書いた架空売掛金を作る
  • 架空売掛金を担保に借入
  • 架空債権で勝手に名前を書く相手にばれないように、銀行に債権譲渡通知をしないことを要請
ヤマト樹脂光学の粉飾決算と融資詐欺の方法を見ると、極めて単純です。ヤマト樹脂光学が依頼した債権譲渡通知とは、債権者が変わった事を内容証明などで相手に伝える事を指しているのではないでしょうか。

(3)りそな銀行担当者の失敗

捜査関係者によると、08年3月ごろ、久保村容疑者は同行の融資担当者に、「借金をしていることが取引先に分かると会社の信用が落ちる」として、大学病院や学校法人側に売掛金の債権が譲渡されたことを通知しないよう要請したという。
ヤマト樹脂光学は、融資詐欺がばれないように、りそな銀行に債権譲渡通知しないように要請したようです。管理人の私見ですが、内容証明による債権譲渡通知のことと思いますが、りそな銀行は本当に行っていない可能性がありそうですね。

(4)融資の後、すぐに延滞発生

しかし、ヤマト社は08年7月末、返済を延滞したため、同行が大学病院などに売掛金を担保にしていることを通知。病院側から「契約は結んでいない」と連絡があり、取引が虚偽だったことが判明したという。
ヤマト樹脂光学の融資詐欺について、今回の事例について見てみましょう。
  • 2008年3月ごろ りそな銀行融資担当者に、売掛金の債権譲渡通知しないよう要請
  • 2008年7月末 りそな銀行が返済延滞により、売掛金を担保にしていることを通知
  • りそな銀行に「契約は結んでいない」と連絡 虚偽の取引が判明
ヤマト樹脂光学の事例を見ると、りそな銀行担当者が債権譲渡通知をすれば、すぐに分かった事例であり問題がある事が分かります。

(5)架空売掛金の担保融資を繰り返す

ヤマト社は架空の売掛金を担保に借り入れた融資金を他の金融機関への返済に充てる「自転車操業」を繰り返していたとみられ、03年12月から08年8月の破産申し立てまでの間、計約1140億円の融資を引き出していたとみられている。
ヤマト樹脂光学は、架空売掛金による融資を繰り返していたようですね。いずれにしても、りそな銀行に問題がある事は変わらないですね。
粉飾決算の事例は企業規模や、上場の有無に関わらずあることが分かります。粉飾決算や倒産の事例に関心のある方は、ご参照下さい。

(6)りそな銀行業績と不良債権回収

ヤマト樹脂光学の粉飾決算と倒産を見ていると、融資詐欺で逮捕されていますが、りそな銀行の融資手続きがどうであったのかは気になりますね。

ヤマト樹脂光学の粉飾決算と倒産について、他の報道もそうですが、小野の事例と異なり業績への影響がないであろうことを、マスコミは明確にすべきではないでしょうか。

冒頭の小野の事例で、福井銀行の倒産後の手続きをまとめていますが、貸倒引当金を計上により業績に影響はないと思います。むしろ、ヤマト樹脂光学の不良債権回収により、りそな銀行の収益になりますので、倒産していますが債権回収の金額がいくらなのか気になりますね。
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