(1)市場環境の変化、売上減少と資金繰りの悪化
東京サウンドは倒産しましたが、音楽業界で言えばHMVが倒産したことを覚えている方が多いかもしれません。HMVは英国最大の音楽販売チェーン店の老舗ですが、音楽配信市場に進出が遅れたことで倒産しました。東京サウンドの倒産理由は、資金繰りの悪化が理由の一つですが、SWAGGERも売上減少により資金繰りが悪化しています。東京サウンドの倒産について、音楽市場の変化と資金繰り悪化の2点から見ていきます。
(2)東京サウンドは業歴70年を超える
東京サウンドが倒産したことを、帝国データバンクが2013年2月7日に「Guyatone」の東京サウンドが営業停止と報じています。東京サウンド(株)(TDB企業コード:980647747、資本金4000万円、東京都杉並区高井戸東3-36-14、代表松木耕一氏)は、1月31日に営業を停止した。
当社は、1933年(昭和8年)に創業、56年(昭和31年)7月に法人改組した。東京サウンドは、Guyatoneブランドを保有、日本で最初のエレキギターを開発した企業ですが、戦前に創業しており業歴70年を超えています。
(3)東京サウンドの知名度は高い
我が国初のエレキギターを開発、製造した老舗の楽器・音響機器メーカーで、「Guyatone」ブランドとして、グループサウンズ全盛時代から日本のエレクトリックギターを語る上で、欠かすことの出来ないパイオニア的存在として高い知名度を有していた。東京サウンドのGuyatoneブランドは高い知名度を有していたようですね。東京サウンドが日本初のエレキギター開発製造した会社である事は、会社にとっても誇らしい事ですね。
(4)音楽関係の商品が中心
特に、エフェクターの開発を得意としており、コンパクトタイプなど多くのエフェクターを開発。その他にも、楽器の周辺機器の販売や自社ブランドで「REXER」(業務用音響機器)や「SOUND」(真空管オーディオアンプ)を開発し、小売店や代理店に販路を築き、90年2月期には年売上高約10億3700万円をあげていた。東京サウンドの販売製品を見ると、日本初のエレキギター開発の会社として、音楽関係の商品を中心に販売している事が分かります。東京サウンドの商品構成を見ると、バンド向けの商品が中心である事が分かります。
(5)東京サウンド倒産の2つの理由
しかし、近年は、一定のマニア層に支えられてきたものの、バンドブームの停滞に伴う若者のギター離れに加え、欧米の有名ブランドに押され、2012年2月期の年売上高は約1億3000万円に減少していた。東京サウンドは、自社のファンを獲得していますが2つの点で業績が悪化したようです。
- 顧客である若者の変化
- 競合他社の欧米の有名ブランド
(6)東京サウンド倒産の背景
管理人の私見ですが、東京サウンド倒産の背景には、音楽市場の構造的な問題があるのではないでしょうか。日本の音楽業界は音楽配信の新しい仕組に乗り遅れたことで、音楽業界の市場が縮小を続けています。- 音楽配信に乗り遅れ
- 音楽市場の縮小
- 音楽のプロになる道が狭くなる、成功者の減少
- 音楽のプロを志す人間の減少
- 東京サウンドが対象とする潜在的な顧客の減少
(7)資金繰りで倒産 売上が大幅に減少
この間、営業所の閉鎖や人件費の削減など経営改善に努めたものの、業況に回復が見られず、資金繰りが限界に達し、今回の措置となった。負債は約2億2000万円。東京サウンドの倒産は資金繰りの悪化が、理由のようですね。東京サウンドの資金繰り悪化は、売上規模の縮小を見れば分かると思います。
- 1990年2月期 売上高約10億3700万円
- 2012年2月期 売上高約1億3000万円
- 東京サウンド倒産時の負債 約2億2000万円
(8)修理は2月末まで対応
なお、今後の整理については現在弁護士と協議中で、経理業務および修理依頼品の対応については、2月末日まで業務を行うとしている。東京サウンドは、修理を2月末まで対応するようですね。東京サウンド倒産の理由は、音楽市場の衰退が隠れた背景であり、一つの市場に依存すると環境が変化した際に大きな影響を受ける事が分かるのではないでしょうか。
BAY5SQUARE倒産破産の理由を見ましたが、バンド離れが進むと、ライブスタジオも減少が続きそうですね。CD販売が減少する中で、ライブが収益源として重視されていますので、アーティストとファンの双方にとって打撃と言えるのではないでしょうか。
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