(1)飲食店の倒産
工場の新規建設による設備投資負担や業績悪化の影響を受けた事例として、上記の二つの事例があります。新規設備投資の後の売り上げ拡大や、業績悪化によるリストラが困難である事の参考になるのではないでしょうか。日本市場は、飲食関連の競争が非常に激しい市場のため、大手外食チェーンも業績悪化に苦しめられることがあります。参入障壁の低い業界は、盛衰が激しいため起業に成功する人もいますが、成功を続けることは非常に難しくなります。
起業規模拡大は、出店拡大や工場拡大を行いますが、銀行借入に依存すれば倒産のきっかけになるでしょう。売上の最盛期に投資をすれば、業績悪化のときに過剰投資になるため、借金が返済できずに倒産することはよくありますね。
(2)スイーツファクトリーナカタは3店舗を展開
ファクトリーナカタ倒産閉店を2013年2月22日の帝国データバンクが、「2012ジャパンケーキショー東京」で優勝の菓子メーカー、破産申請へと報じているので見てみましょう。当社は、1986年(昭和61年)6月創業、96年(平成8年)6月に法人改組。生ケーキやロールケーキ、焼き菓子などの製造販売を手掛け、「スイーツファクトリーナカタ」の店名で地元川西を中心に3店舗を展開していた。ファクトリーナカタが倒産閉店しましたが、有限会社であり、一定の業歴があることが分かります。有限会社は現在新しく法人設立ができないため、ファクトリーナカタが有限会社を名乗る事は、会社の業歴が一定年数あることを意味しており、会社の信用にも繋がります。
ファクトリーナカタは、スイーツファクトリーナカタの店名で地元川西を中心に3店舗を展開していたようですね。ファクトリーナカタのように、地元で有名なお菓子屋さんであれば、地方が基盤であっても安定した事業を営んでいるケーキ屋さんもありますね。
(3)自社工場を新設
2008年には宝塚市に工場を新設すると、チョコレート製品の本格製造を開始し、チョコレート菓子専門店をオープン。ファクトリーナカタは自社工場を、新設しており、業績が悪化すれば工場の稼働率低下や遊休資産の活用などが問題になることが分かります。ファクトリーナカタは、工場新設後に洋菓子コンテストを受賞するなど華やかな実績をあげていたようですね。
(4)ファクトリーナカタ代表は洋菓子コンテスト受賞歴あり
代表の中田氏は2012ジャパンケーキショー東京(全国大会)チョコレート工芸菓子部門で優勝(連合会会長賞)するなど洋菓子コンテストで数々の受賞歴を誇る有名パティシエで、期間限定で大手百貨店内に出店するなど相応の知名度を獲得。新店舗がオープンした2009年5月期には売上高約4億8000万円を計上していた。ファクトリーナカタは、倒産閉店するまで洋菓子コンテスト受賞歴を生かして、知名度を生かした展開をしていたようですね。ファクトリーナカタのように、コンテストで受賞するなど知名度が向上すれば売上高は一時的に増加することはよくありますね。
むつみ屋 閉店倒産の理由を見ると、テレビ番組をきっかけに知名度が向上して売上高が増加しています。むつみ屋はラーメン店ですので、競争が激しい業界の場合、売上高の増加はブームによる一時的なものが多く反動にる売り上げ減少で、倒産危機になることがよくありますね。
(5)工場新設前の売上高から大きく減少
- 2008年には宝塚市に工場を新設
- 2009年5月期 売上高約4億8000万円
- 2012年5月期 売上高約3億5000万円
とっぴー倒産の理由をまとめましたが、競争の激しい業界であれば、経営規模を拡大していくことは非常に難しくなります。ファクトリーナカタの事例は、ブームが終了した後も飽きられずに、事業を安定させることは難しいことが分かりやすいですね。
(6)有利子負債の増加が経営の重荷に
しかし、その後は伊丹店など不採算店舗の閉鎖や同業他社との競争激化などにより売上は伸び悩み、2012年5月期には年売上高約3億5000万円までダウン、開店資金や設備資金などに伴う有利子負債の増加により収益面は低調に推移していた。有利子負債の増加が経営の重荷になっていたことが指摘されていますが、開店資金と設備資金が指摘されています。
- 開店資金は新しい店舗の開店に必要なお金
- 設備資金は店舗で使う機械や、工場で使用する機械
(7)ファクトリーナカタ倒産の前兆
このため、金融機関への支援要請やリストラなどの経費削減により資金繰りの改善を図り、パンの取り扱いを開始するなど取扱品を増加させていたものの、ここに来て資金調達力が限界に達したことにより今回の事態となった。負債は約3億円。ファクトリーナカタ倒産の前兆として、金融機関への支援要請をあげることができます。ファクトリーナカタは手元の資金繰りが、かなり苦しくなっていたのでしょう。
ファクトリーナカタは倒産閉店するようですが、代表はコンテストで優勝経験のある実力者であり、実力を生かして、おいしいお菓子を提供して欲しいですね。ファクトリーナカタの倒産は、実力のあるパティシエがいても、お菓子会社の経営が難しい事を表していますね。
べんりーい食品工業 倒産の理由は、競争激化による資金繰り悪化ですので、大手資本の進出により、食品業界は競争環境が大きく変化していることが分かりますね。 スポンサードリンク
シロウトでも読みやすい解説で、倒産に至った経緯が分かりました。コンクール優勝パティシエの店でも身の丈にあった経営をしないとダメなのですね。
返信削除ところで検索していて、この倒産を別の視点で分析しているブログを見つけました。本店の向かいに住む住民のものです。郊外への本店移転なら車での来店が多いと思うので、これはけっこう的を得ているように感じました。もちろん、これがすべてじゃないでしょう。支店もふるわなかったわけですし。でもこれも倒産への要因のひとつになっているかも。
http://blogs.yahoo.co.jp/semidalion/47072254.html
>匿名さん
返信削除こんばんは^^
褒めて頂きありがとうございます。
ご紹介されているサイト、拝読しました。
画像の加工が丁寧で非常に分かりやすいです。
郊外は自動車の利用が多いですし、心理的に入店したくなくなる要因になったのかもしれないですね。
数値化は難しいですが、仰るとおり、売り上げによい影響はないと思います。
立地の観点から、分かりやすい指摘ありがとうございます^^
勉強になりました。
コンテスト作品はゴーストライターですよ。
返信削除洋菓子のコンテストの中ではよくあること。
ご参考までに
>匿名さん
削除こんにちは^^
洋菓子業界で、そういったことがあるのですね、勉強になります。
その方は、ものすごく才能のある方と思うのですが、どの業界でもそういった方がいるのですね。
もうひとつ。
返信削除企画屋さんがいまして、作り方から販売方法
サクラの使い方などを教える生業があります。
兄弟店舗の販売方法や商品ラインナップはほぼ同じです。
閃かれたように、商品は兄弟店舗で回しています。
その、企画屋さんが帰らぬ人になられて、
どの店舗も右肩下がりのようです。
このような裏話です
>匿名さん
削除おはようございます^^情報深謝です。
ファクトリーナカタがそのケースであるならば、強烈なお話ですね。
お菓子を含めて企画は、すごくクリエイティブなお仕事と思います。
重要な方がいなくなれば、業績に影響するのは、十分に考えられます。
ファクトリーナカタは、コンテストで優勝してるのでしたら、翌年に倒産してるのは違和感を感じますよね。
申し上げたように、コンテストはできレースです。
返信削除しかし、陳腐な作品で賞はとれませんので、
専門の方にお願いするのです。
審査員も犯罪にはならないので、袖の下をもらっています。
まれに、そでの下を嫌う審査員もいます。
その方の、一言
この作品とこの作品は、作った人が同じように感じるですが、他の審査員の方はどうですか?
そりゃあ、返答に困りますよね。
実際は同じ人が作っています。
>匿名さん
削除こんばんは^^
情報深謝です。
ファクトリーナカタの事例は不明ですが、表舞台が華やかな業界ほど、裏側はいろいろあるのでしょうね。
お金が動くのかは分かりませんが、お互いが満足するような(?)形で、世の中が上手く回っているかなぁと感じることが、時たまあります。
匿名さんのおっしゃる事例も、それに近い気がしますね。
やはり、選考過程は音楽番組にしてもオープンなほうが望ましいと思うのですが、そうもいかないのでしょうね。