病院 倒産理由と動向

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病院の倒産理由と倒産動向を見ると、中小企業金融円滑化法などにより病院の倒産が減少しているようです。病院の倒産が減少傾向にある事はよいことですが、中小企業金融円滑化法は3月に期限切れのため、倒産件数が増加する可能性もあります。

(1)倒産の背景と企業支援

収益源と政策

病院の倒産について、考えるときに重要なのは病院の収益源が何であるのかです。病院の収益を考える上で欠かせないのが、診療報酬です。

病院の倒産と、太陽光会社の倒産で共通しているのは、政府の政策で会社や業界の収益に変化が生じることです。病院で言うと、診療報酬の改定がそれにあたります。

金融円滑化法の影響

病院は診療報酬制度の影響を受けて、倒産件数が増加していましたが、中小企業金融円滑化法の影響で倒産減数は減少しています。病院の倒産は、中小企業金融円滑化法期限切れでどうなるのかがポイントになりそうですね。

病院の倒産について、2013年2月8日の帝国データバンクが特別企画 : 医療機関・老人福祉事業者の倒産動向調査と報じているので見てみましょう。

(2)金融円滑化法の影響

企業再生支援機構や中小企業金融円滑化法の効果によって、2011年以降、病院の倒産が大きく減少している。ただその一方で、病院を除く医療施設や老人福祉関連業者の置かれる環境は厳しさを増し、倒産件数は増加に転じる傾向が強まってきた。
金融円滑化法と企業再生支援機構の影響により、病院の倒産件数が減少しています。病院の経営を考えると、病院以外を保有している医療法人があれば、業績に注視する必要がありそうですね。

金融円滑化法の期限切れによる倒産の増加が懸念されていましたが、2013年はアベノミクスによる日本経済回復で懸念されたほど倒産は増加していないですね。

(3)倒産の状況

医療機関の内訳

2000年~2012年の医療機関の倒産件数は437件(病院100件、診療所202件、歯科医院135件)、老人福祉事業者の倒産は164件で、2012年は医療機関が37件、老人福祉事業者が29件となった。
病院の倒産件数を見て、多いか少ないのか判断が難しい所ではないかと思います。
  • 病院の倒産 100件
  • 診療所の倒産 202件
  • 歯科医院の倒産 135件
  • 老人福祉事業者の倒産 164件
高齢化により、病院や老人福祉事業者は成長産業であると言われてきました。病院と老人福祉事業者の倒産件数の割合を見ると、老人福祉施設の倒産が増加している事が分かります。

(4)病院の倒産は過去最小 歯科医院の倒産は過去最多

倒産態様別では、診療所、歯科医院、老人福祉事業者の8割超が「破産」となったほか、業歴別では、老人福祉事業者の76.8%が「10年未満」での倒産となった。2012年は病院(3件)が2001年と並び過去最少、また、歯科医院(15件)は2009年と並び過去最多となった。
病院の倒産についてまとめると特徴が見えると思います。
  • 破産が8割超
  • 病院の倒産2012年 3件で過去最少
  • 歯科医院の倒産2012年 15件で過去最多
パルモア病院 倒産理由と移転を見ると、破産ではなく民事再生の申請により倒産していることが分かります。パルモア病院の倒産原因は、不動産評価替えによる大幅な赤字が資金繰り悪化のきっかけになった可能性が高いですね。

病院の倒産件数は過去最少となっていますが、歯科医院の倒産が過去最多になっています。病院、診療所、歯科医院を取り巻く環境について見ると、病院の診療科によって経営環境が大きく変わっていることが分かります。

(5)病院倒産の理由

医師不足、患者の選択意識の高まり(大病院への集中)、2006年度の診療報酬の改定(引き下げ)など、病院の置かれる経営環境の悪化が大きな社会問題になっていた2007年に過去最多となる18件を記録。
病院倒産の理由を見ると納得された方が、多いのではないでしょうか。
  • 医師不足
  • 大病院への集中
  • 診療報酬の引き下げ
医療は高度化していますので、病院に経営体力があれば、多数の医師を集めながら診療報酬の引き下げに対処することもできます。

(6)診療所倒産の理由

2012年は19件となり、2009年(27件)に次ぐ過去2番目の高水準となった。施設数の増加(2002年~2011年で4728施設増)に伴う競争激化や、中小企業金融円滑化法終了の影響を踏まえ、今後さらに増加する可能性がある。
診療所を取り巻く環境は、病院よりも厳しいことが分かると思います。
  • 診療所倒産は、2012年過去2番目
  • 施設数増加
  • 中小企業金融円滑化法終了の影響
診療所倒産の理由を見ると、施設数の増加は大きな要因の一つに思えます。診療所は小規模ですので、大病院へ顧客が集中する流れと金融円滑化法終了の影響が大きいのではないでしょうか。

(7)歯科医院倒産の理由

2012年は15件となり、2009年と並んで過去最多となった。 
こちらも、施設数の増加(2002年~2011年で3083施設増)に伴う競争激化の影響が大きいとみられる。 
特に都市部では、駅近で夜間も診療する内外装にもこだわった歯科医院が増加しており、人通りの少ない立地や院長の高齢化、設備投資の停滞などの問題を抱える医院を中心に、今後、さらに淘汰が進むことが予想される。
歯科医院の倒産理由について見てみると、歯科医院の中でもかなり差が出ていることが要因になっているようです。
  • 歯科医院倒産は、2012年過去最多
  • 施設数増加
  • 夜間診療や内外装を重視する歯科医院が登場
  • 歯科医院で従来型は厳しい
歯科医院は、駅前やビルなどに入居が増加しているのは、感覚として持たれている方が多いのではないでしょうか。

アベノミクス崩壊 倒産の真相を見ると、一部メディアの論調には、業界の動向という視点が抜け落ちていることが分かりますね。病院業界を見ると、競争激化や立地のよい病院増加で、古くからの病院の競争力が低下している可能性がありますね。

(8)患者の利便性

忙しい方が多いと思いますので、平日に通院可能な好立地で夜間診療を行う歯科医院を選ぶニーズは十分にあると思います。

病院の倒産理由と動向を見ると、一見すると分かりにくいですが、駅前などで病院を意識すると、病院同士の競争が見えてくるかもしれないですね。金融円滑化法期限切れ以降に、病院の倒産にどういった影響がでるのか気になりますね。

ライオンズ歯科 倒産と週刊文春を見ると、歯科医の競争が激化しており、有名な歯科でも倒産していることが分かります。病院は社会的に重要なインフラですし、通い慣れた病院は重要ですので、経営に問題のない病院を探すことも重要ですね。
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