(1)市場環境の変化と倒産
市場環境の変化で倒産する企業は、業種に関わらず存在します。太陽光のYOCASOLの倒産についてみると、太陽光パネル市場は、参入障壁が低くコスト競争の激しい業界です。太陽光パネルは生活必需品ではないことを考えると、太陽光ビジネスは景気が大きく悪化するなど環境の大きな変化があれば後回しになる部分はあると思います。倒産について、上記の事例は業種が異なりますが似ている部分はあるのではないでしょうか。
(2)ヨカソル民事再生手続きを断念
太陽光パネルのYOCASOL倒産について、毎日新聞2013年2月5日に<太陽光パネル>ヨカソル破産手続きへと報じているので見てみましょう。福岡県大牟田市の太陽光パネルメーカー、YOCASOL(ヨカソル)は5日、民事再生法による再生手続きを断念し、破産手続きに移行すると明らかにした。4日に東京地裁から再生手続き廃止決定を受けた。スポンサーの選定が困難となり、再生計画案の策定めどが立たなかったためとみられる。YOCASOLは、民事再生手続きを行っていましたが、スポンサーが見つからなかったようですね。太陽光市場の厳しさをYOCASOLは現しているのかもしれないですね。
(3)ヨカソルの負債総額
負債総額は約24億6000万円。YOCASOLの負債総額は、従業員が買収した会社である事を考えると、それなりの規模であった事が分かります。
- 代表取締役社長 市来敏光
- 資本金 3億8千万円
- 従業員数 95名(2011年10月末現在)
- 決算期 3月
- 主要株主は以下
- 九州事業継続ブリッジ投資事業有限責任組合
- 旭化成株式会社
- 丸紅株式会社
- EBOメンバー他
(4)中国企業の買収で閉鎖した工場
民間信用調査会社の帝国データバンク久留米支店などによると、同社は07年、中国企業に買収されて閉鎖することになった旧MSK(現サンテックパワージャパン)福岡工場の設備を、従業員が事業買収する形で設立された。YOCASOLが注目された理由の一つは、買収された会社の閉鎖工場を、従業員が買収した事でした。太陽光市場と取り巻く市況悪化で、YOCASOLは再建を断念したようですね。
(5)景気減速と競争激化で倒産
その後、主力市場だった欧州の景気減速による需要減退の影響や競争激化もあって業績が悪化。昨年11月に民事再生法の適用を申請し、家電量販最大手のヤマダ電機が支援候補の一つとして浮上していた。太陽光市場の悪化によりYOCASOLは、民事再生法を申請しています。YOCASOLは民事再生法を申請するということは、支援先を探したうえで再建を模索しています。
(6)為替相場の影響
欧州市場の影響を受けたとなっていますが、民主党政権による為替相場の円高政策により、円高ユーロ安で採算が悪化した可能性が気になりますね。YOCASOLの納入先の企業が欧州で太陽光ビジネスをしていたとしても、為替相場の円高ユーロ安の影響を間接的に受けていたのでしょう。(7)丸紅を通じて販売 政策変更で事業環境が悪化
YOCASOLの太陽光ビジネスの特徴について、2012年12月1日の産経新聞が報じているので見てみましょう。丸紅を通じて販売を伸ばし、ピークの平成21年3月期には79億円を売り上げたが、リーマン・ショックや、太陽光発電をめぐるドイツ、スペインの「固定価格買い取り制度」の方針転換で事業環境が悪化。24年3月期の売上高は13億円にまで落ち込んでいた。太陽光の政策変更により、売上が6分の1に大きく減少していることが分かりますので、工場の稼働率が大きく減少したのでしょう。
- 平成21年3月期 売上高79億円
- ドイツ、スペインの「固定価格買い取り制度」の方針転換
- 平成24年3月期 売上高13億円
サンテックが倒産しましたが、サンテック倒産の理由を見ると太陽光パネル市場で利益を得ることが難しいことが分かりますね。 スポンサードリンク
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