中山製鋼所4期連続の赤字
中山製鋼所の経営悪化について、2013年2月15日の日経新聞13面を見てみましょう。中山製鋼所は14日、2013年3月期の連結経常損益が65億円の赤字(前期は63億円の赤字)になりそうだと発表した。経常赤字は4期連続。通期の最終損益予想については「未定」とした。金融機関の債権放棄などを軸とした再建計画の取りまとめに時間がかかっているため。中山製鋼所は、4期連続の経常赤字を計上しています。企業の倒産は、3期連続の赤字の場合に可能性が高いと言われており、中山製鋼所はかなりの経営危機にあることが分かります。
中山製鋼所の再建計画に、債権放棄が含まれており、重厚長大型産業の電炉メーカーは負債が多く、高炉メーカーとの競争で経営が悪化しています。中山製鋼所は、債権放棄を申請するようですが、信用補完のためにスポンサーが不可欠になります。
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減収赤字を計上
売上高は前期比18%減の1400億円を見込む。国内需要の低迷で建築用の鋼板や棒鋼などの出荷が振るわない。同日発表した12年4~12月期連結決算は売上高が前年同期比14%減の1102億円、最終損益が58億円の赤字(前年同期は42億円の赤字)だった。中山製鋼所の売上高と利益について見てみましょう。
- 中山製鋼所の売上高 2012年4~12月期 1102億円 前年同期比14%減
- 中山製鋼所の最終損益 2012年4~12月期 58億円の赤字 前年同期は42億円の赤字
私的整理による再建計画
同社は現在、私的整理による再建計画を策定中。金融機関による債権放棄や官民ファンドの企業再生支援機構の債権買い取り、筆頭株主の新日鉄住金などの増資引き受けなどを柱とする計画の取りまとめを急いでいる。中山製鋼所は、私的整理による再建計画を策定中ですが、法的整理と比較して個別、柔軟な再建計画を検討しているようですね。金融円滑化法期限切れ倒産と住宅ローンが懸念されており、私的整理による再建計画が増加するかもしれないですね。
- 金融機関による債権放棄 負債削減
- 企業再生支援機構の債権買い取り 債権者を減らして意思決定を早める
- 新日鉄住金などの増資引き受け 資本の充実
中山製鋼所の債権放棄と増資
- 三菱東京UFJ銀行など40行 1000億円のうち600億円の債権放棄を要請
- 企業再生支援機構に、下位行の債権買い取りを求める案
- 三菱東京UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、日本政策投資銀行が貸付残高が大きい
- 新日鐵住金は株式9.8%(2012年3月末)の筆頭株主 持株比率20%弱まで引き上げか
中山製鋼所の私的整理について、再建計画の数字を見ると債権放棄の金額が大きいことが分かるのではないでしょうか。民事再生法や会社更生法を申請した場合、資産は二束三文で売却され融資回収できないことが多いので、経営継続のほうがメリットはあるときがあります。
エドウィン倒産危機 ADRの理由をまとめましたが、中山製鋼所との違いが鮮明ですね。中山製鋼所は、筆頭株主である新日鐵住金をスポンサーとして打ち出している一方、エドウィンは一年が経過してもスポンサーが決まっておらず、経営は迷走していることが分かります。
私的整理の最終合意に遅れ
ただ関西電力の値上げによる影響の織り込みや、企業再生支援機構などの支援を受けるための前提条件であるグループ会社の完全子会社化などが難航。昨年末を予定していた関係者間の最終合意に遅れが出ている。中山製鋼所は、私的整理の最終合意が遅れているようですね。中山製鋼所が、私的整理をスムーズに行えたとしても、減収赤字の傾向を好転させるのはかなり難しいのではないでしょうか。中山製鋼所 債権放棄と倒産回避の仕組みを見ると、企業再生のスキームを発表していますね。 スポンサードリンク
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