(1)銚子市や千葉県に支援要請
銚子電鉄が倒産危機ですが、鉄道会社は現金商売のイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。鉄道会社の収入は現金ですが、保有する土地は鉄道路線維持のために簡単に売却できないことが、小売と違います。
銚子電気鉄道(千葉県銚子市)は1日、東日本大震災以降の経営難から、自主再建を断念、地元の銚子市や県などに支援を要請していると発表した。銚子電鉄は、自治体に支援を要請しているようです。銚子電鉄が計画している再建計画について見てみましょう。
(2)銚子電鉄再建の計画
今後、同市出身の企業家らが設立した財団法人などから資金援助を得たり、運行と線路などの施設管理の主体を分ける「上下分離」を実施したりして、経営刷新を進める。銚子電鉄の再建計画を見ると、主に2つが柱になっているようです。
- 企業家らが設立した財団法人などから資金援助
- 運行と線路などの施設管理の主体を分ける「上下分離」を実施
(3)鉄道会社の優遇と資金調達が複雑
鉄道会社は鉄道財団として、税金の優遇がある一方で、土地などの固定資産に莫大なお金が必要です。また、鉄道財団として資産を管理、借入を行いますので、資金調達の際にも手続きが品雑になるので現金収入は非常に重要になります。(4)銚子電鉄の経営努力
銚子電鉄は創立90年。銚子-外川間6.4キロを1~2両編成の電車が1日33往復し、名産の「ぬれ煎餅(せんべい)」の生産・販売などで近年の経営難を乗り越えてきた。銚子電鉄は、短い路線の鉄道として有名ですが、経営難を乗り切るために名産品の販売を行い、支援する方々の好意で乗り切ってきた側面もありました。
(5)観光客減少で経営悪化
しかし震災後、風評被害による観光客減少などで11年度の乗客は約48万人と前年度比23%減。13年3月期の経常損失は数千万円規模の見通しで、車両や電機設備の交換資金も不足する状況という。銚子電鉄は、千葉県ですので、震災が業績悪化の引き金になったようです。
- 2011年度乗客 約48万人と前年度比23%減
- 2013年3月期 経常損失 数千万円規模の見通し
- 車両や電機設備の交換資金も不足
(6)社長交代と銚子鉄道の再建方針
こうした経営危機から昨年末、「自主再建路線」を進めてきた小川文雄氏が社長を退任。かわりに就任した税理士出身の竹本勝紀氏は、昨春、市内の企業支援のため設立された財団法人に資金援助を求めるほか、市や県へも支援要請するという。銚子鉄道は社長が交代しましたが、自主再建路線から現実路線に転換する事を考えているようです。銚子鉄道は、鉄道会社の規模に対して、桃太郎鉄道のゲーム内で紹介されるなど知名度は高いです。
地元自治体の産業振興と銚子鉄道の再建を、繋げていくことがますます求められそうですね。
(7)自主再建路線を断念
記者会見した竹本氏は「自主再建路線は不可能と判断した。当面の運行に支障はないが、地域の足として存続できるよう、関係者と協議する」と話した。銚子鉄道は倒産危機であり、新しい社長は自主再建路線を断念すると発表しています。銚子鉄道は、桃鉄で紹介されるなど知名度が高く、どういった再建方法をとるのか注目ではないでしょうか。東京駅の駅舎復元に貢献した、石渡工業 倒産の理由は、経営者の健康問題と貸倒発生による突発破綻のようですね。 スポンサードリンク
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