アンハイザーブッシュインベブ業績と買収メリット

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ABインベブの業績は、利益が1兆円を超えており、買収メリットを生かしています。ABインベブは、SABミラーを10兆円以上で買収する計画であり、ビール市場の圧倒的なトップになりそうですね。


(1)アンハイザーブッシュインベブの業績

  1. 1ドル120円でアンハイザーブッシュインベブの決算を計算
  2. ABインベブ2014年12月期売上高 5兆6476億円 470億6300万ドル
  3. ABインベブ2014年12月期営業利益 1兆8744億円 156億2000万ドル
  4. ABインベブ2014年12月期経常利益 1兆6561億円 138億100万ドル
  5. ABインベブ2014年12月期当期純利益 1兆1059億円 92億1600万ドル
  6. ABインベブ2014年12月期ROE株主資本利益率 18.17%
  7. ABインベブ2014年12月期営業キャッシュフロー 1兆6973億円 141億4400万ドル
  8. ABインベブ2015年9月17日時点の時価総額 1621億1000万ユーロ
  9. ABインベブ2015年9月17日時点の時価総額 約22兆円で世界1位のビール企業 1ユーロ137円換算
アンハイザーブッシュインベブは、買収戦略による拡大を続けており、世界最大のビール会社になっています。アンハイザーブッシュインベブは、高い収益性と現金収支を生かしており、時価総額は約22兆円の巨大企業になっていますね。

アンハイザーブッシュインベブは、日本最大のトヨタが時価総額は約25兆円のため、トヨタのような高い評価を受けている会社と考えればイメージしやすいでしょう。日本最大のビール会社は、キリンやアサヒになりますが、アンハイザーブッシュインベブと規模の違いは比較にならなくなっています。

ヨーロッパ企業が社債による資金調達拡大をまとめましたが、SABミラー買収のために、5兆円以上の社債発行を既に行っています。優良企業は、多額のキャッシュフローが安定しているため、低金利で借りられる経済環境を最大限に生かしています。

アンハイザーブッシュインベブの拡大戦略は、日本市場をターゲットに捉えていると言われており、日本支社を開設していることが話題になりました。ビール市場は、世界的に有名ブランドの再編が進んでいるだけでなく、クラフトビールなどの人気も高まっていることが特徴的ですね。
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(2)ビール市場の特徴 新興国市場の消費量が多い

  1. ビール消費量1位 4420万キロリットル 中国
  2. ビール消費量2位 2419万キロリットル アメリカ
  3. ビール消費量3位 1280万キロリットル ブラジル
  4. ビール消費量4位 1056万キロリットル ロシア
  5. ビール消費量5位 863万キロリットル ドイツ
  6. ビール消費量6位 689万キロリットル メキシコ
  7. ビール消費量7位 555万キロリットル 日本
  8. ビール消費量8位 432万キロリットル イギリス
  9. ビール消費量9位 379万キロリットル ポーランド
  10. ビール消費量10位 322万キロリットル スペイン
  11. ビール消費量11位 305万キロリットル ベトナム
  12. ビール消費量12位 298万キロリットル 南アフリカ
世界ビールランキング比較評価をまとめましたが、世界のビール市場を比較すれば、新興国市場は規模が大きいですね。アンハイザーブッシュインベブの歴史は、合併を繰り返した歴史になっており、買収により成長市場の取り込みを進めてきました。

インベブは、ブラジルのアンベブベルギーのインターブリューが合併しており、カルロス・ブリトによるコスト削減により収益性を高めてきました。アンハイザーブッシュインベブは、インベブがアメリカのアンハイザーブッシュに敵対的買収を仕掛けて誕生しており、買収後のリストラにより収益性を大幅に高めています。

レゴランド事業拡大の理由を見れば、ABインベブのテーマパーク事業売却は、ブラックストーンが買収して受け皿になっています。ABインベブの事業拡大には、グローバル企業に資金支援するランドだけでなく、リストラ事業を買収するファンドの存在により合併によるシナジー効果を素早く引き出せるようになりました。

アンハイザーブッシュインベブは、母国のアメリカ市場やブラジル市場に強いだけでなく、買収や合弁会社による規模拡大を進めています。アンハイザーブッシュインベブは、メキシコのグルポモデロ買収によりコロナビールを獲得しただけでなく、中国市場でも買収や出資をしておりグローバル展開したビール企業になっていますね。

(3)ビール業界の特徴は買収メリットが大きい

  1. ビール業界は装置産業である
  2. ビール業界は工場稼動率や調達コストが重要
  3. ビール業界は規模のメリットが働きやすい産業である
  4. ビール業界は国ごとに特定ブランドの影響力が強い
アンハイザーブシュインベブの業績拡大が、買収を繰り返しながら成功している理由は、ビール業界の特徴を考えれば分かりやすいでしょう。ビール業界は、製造工程が確立されているため、イノベーションのおきにくい産業になっています。

グローバル企業の資金調達動向を見れば、買収資金の調達は、借入コストの低下が追い風になっています。アンハイザーブッシュインベブは、世界中のビールブランドを買い集めたことにより、多数のビールファンを獲得したということですね。

アンハイザーブシュインベブだけでなく、アサヒのスーパードライやキリンのラガービールも、消費者のためには味を変えないことが重要であると言えるでしょう。ビール業界は、工場や装置の固定費は重くなりますが、規模を拡大することができれば利益は増えやすくなります。

たばこ会社の決算比較 経営戦略の違いをまとめましたが、ビール会社もブランド保有が最重要になっており、アンハイザーブッシュインベブは有名銘柄を多数抱えています。アンハイザーブッシュインベブの業績は、ビール業界が買収メリットを生かしやすいため、グローバル展開により急速に拡大していると言えますね。

(4)アンハイザーブッシュインベブがSABミラー買収の観測

ABインベブとSABミラーが世界シェア1位と2位

  1. ビール生産量世界ランキング1位 シェア20.8% ABインベブ ベルギー 
  2. ビール生産量世界ランキング2位 シェア9.7% SABミラー イギリス
  3. ビール生産量世界ランキング3位 シェア9.1% ハイネケン オランダ
  4. ビール生産量世界ランキング4位 シェア6.1% カールスバーグビール デンマーク
  5. ビール生産量世界ランキング5位 シェア6.0% 華潤雪花ビール 中国
  6. ビール生産量世界ランキング6位 シェア4.3% 青島ビール 中国
  7. ビール生産量世界ランキング7位 シェア3.4% モルソンクアーズ アメリカ
  8. ビール生産量世界ランキング その他 シェア40.4%
  9. 2014年イギリスのユーロモニターインターナショナル

ABインベブとSABミラーの買収メリットと独占禁止法

  1. ABインベブはバドワイザーやコロナなどの有名銘柄を保有
  2. ABインベブとSABミラーはビール需要が拡大している新興国に強い
  3. ABインベブとSABミラーが合併すれば世界シェアが約3割の圧倒的1位
  4. ABインベブは中国でシェアが3位になっている
  5. SABミラーは中国の華潤雪花に49%を出資している
  6. SABミラーは米国のモルソンクアーズとの合弁会社ミラークアーズに出資している
  7. ABインベブとSABミラーが合併するためには独占禁止法の審査通過が重要になる
アンハイザーブッシュインベブは、SABミラーの買収を口コミで噂されてきましたが、世界規模で買収観測が発表されています。アンハイザーブッシュインベブは、買収プレミアムを支払う必要があるため、SABミラーの買収価格は12兆円以上になる可能性も示唆されていますね。

SABミラーの筆頭株主は、大手たばこ会社のアルトリアになっているため、買収戦略に大きな影響を与えそうです。アルトリアの配当収入は安定していますが、アンハイザーブッシュインベブが買収すれば、自社株買いや株式価値増加の恩恵が見込めるでしょう。

アンハイザーブッシュインベブは、中国で3位の高シェアを獲得していますが、SABミラーは華潤雪花に49%も出資をしています。グローバル企業は、主要各国の独占禁止法の審査通過が必要になるため、中国事業や米国事業などの一部売却は現実的になりそうです。

アンハイザーブッシュインベブの買収資金ですが、2014年12月期営業キャッシュフローが約1兆7000億円あるため、SABミラーを10兆円以上で買収するとしても問題はありません。SABミラーの2015年3月期営業キャッシュフローは約4500億円あるため、アンハイザーブッシュインベブとSABミラーを単純に合算すれば、2兆円以上を見込むことができるでしょう。

(5)日本のビール会社は財務省がダメにした

  1. 財務省はビールの酒税を高くした
  2. 日本のビール会社は発泡酒に投資をした
  3. 日本のビール会社は海外展開や海外企業買収に乗り遅れた
  4. 財務省は発泡酒の酒税を高くすることにより再度対抗している
  5. 日本のビール会社は第三のビールに投資して発泡酒が無駄になった
  6. 財務省は酒税引上げによる市場縮小により酒税収入を減らす失敗をしている
  7. 財務省は日本のビール会社を大きくすることで法人税を増やすという発想がない
アンハイザーブッシュインベブ業績や時価総額を比較すれば、アサヒやキリンの時価総額は10分の1以下になっており、企業規模を比較するレベルにすら達していません。日本のビール会社は、国内市場の競争により消耗しており、財務省の酒税政策が企業の発展を阻害しました。

サントリー買収の歴史 ジムビーム買収と三菱東京UFJ銀行の融資をまとめましたが、スピリッツ事業や飲料事業を強化しており、海外展開を加速させています。アンハイザーブッシュインベブについて、サントリーの新浪社長はビール市場で対抗できるレベルにないことに言及しており、ビール税の弊害が企業戦略を左右していますね。

日本のビール税を海外と比較すれば、米国12倍やドイツ20倍を見れば、財務省はひどい税率にしていることが分かりやすいでしょう。ビール会社は、発泡酒や第3のビールに投資やマーケティングを繰り返していますが、財務省は再度の税率引上げを検討しており消耗戦を繰り返しています。

ビール税が安くなれば、安い価格のビールを庶民が飲めるだけでなく、ビール会社からの法人税増加も見込めます。アンハイザーブッシュインベブの業績を見れば、日本の財務省は酒税を吊り上げることにより、ビール会社の法人税増収によるチャンスを逃したと言えるでしょう。
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