七つの会議ネタバレ結末と倒産

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七つの会議は池井戸純さんの作品ですが、ネタバレを含んだ結末を見てみましょう。東京建電は、不祥事のリークにより倒産していますが、企業の自浄作用が働きにくい背景が描かれています。


(1)銀行の不祥事とメーカーの不祥事

銀行の不祥事が報道されており、公共性の高いサービスを提供している企業の場合、社会的な反響が大きいことが分かると思います。メーカーの製品は公共性が高くないように思えますが、世界シェアの高い製品や部品を持つ企業は、特定の銀行よりも公共性が高いと言えるのではないでしょうか。
  1. 銀行の不祥事 ケガなどは発生しない
  2. メーカーの不祥事 重大な事故やケガに繋がる
銀行は内部管理体制が整備されている企業ですが、不祥事が時々発生しています。メーカーの場合、上場企業であっても内部管理体制が整っていない企業が多く、特に安全性に関する問題が発生したときは、三菱自動車のように企業の存続に影響する可能性があると言えます。

(2)七つの会議の会社概要と中小企業

  1. 東京建電 ソニックの子会社 歴代社長はソニックの天下り
  2. ねじ六 ネジ製造の中小企業で赤字 明治40年創業で従業員数20名
  3. トーメイテック ネジ製造の中小企業で黒字 創業9年目で急成長中
  4. ソニック 総合電機メーカー 大阪本社と東京本社がある
七つの会議あらすじ倒産危機で、登場する会社の概要についてまとめていますが、上記のようになります。東京建電は、総合電機メーカーであるソニックの子会社であり、宮野社長が始めてプロパーの社長として就任しています。

東京建電で不正が行われた背景を考えると、親会社ソニックに対するプライドとして実力のあることを業績として示すことを求められたことですね。七つの会議では、ねじ六は真面目にものづくりを行うが赤字で倒産危機、トーメイテックは不正を行い黒字で急成長していることが対称的に描かれています。

(3)東京建電 不正の隠蔽と黒幕

  1. 原島万二 営業第二課長から営業第一課長 ねじ六との取引再開
  2. 坂戸宣彦 営業第一課長から人事部付け トーメイテック不正調達の発覚で左遷
  3. 八角民夫 営業第一課の係長で出世コースを外れる 不正を見破る
  4. 新田雄介 経理課から大阪に出向 社内不倫と不正調査で左遷
  5. 佐野健一郎 カスタマー室長 不正を暴くも北川部長に口止めされる
  6. 北川誠 営業部長 不正を隠蔽 過去に不正を行ったことも
  7. 稲葉要 製造部長 不正を隠蔽 北川部長と不正隠蔽で結託 
  8. 宮野和広 社長 トーメイテックからの不正調達を画策 発覚後に社内で隠蔽
  9. 村西京助 副社長 ソニック元役員で不正隠蔽を聞き事態打開に動く
七つの会議登場人物で、東京建電の代表的な登場人物が上記になります。七つの会議の原作を読むと非常に面白く描かれていますので、詳細は原作をご参照下さい。

東京建電で坂戸課長は、若手で抜群の業績をあげており最年少課長として、花形の営業第一課長として社内の信頼を集めています。坂戸課長は東京建電で抜群の業績をあげていましたが、ある時、八角係長に対するパワハラとして人事部付けに左遷されることになります。

原島課長は坂戸課長の後任として、営業第一課長就任後にトーメイテックからねじ六に取引先の変更を行います。経理課の新田がコストアップの要因について、嫉妬をモチベーションに調査を行いますが、社内不倫を材料に左遷されることになります。

(4)子会社と親会社の隠蔽と内部告発

  1. 八角の告発に対して子会社は隠蔽決定
  2. 宮野社長が欠陥製品の闇改修を進める決断
  3. 東京建電で真相を暴こうとして人間は左遷
  4. 村西副社長が告発を見て親会社のソニックが事態を把握
  5. ソニックの調査結果 損害賠償の概算1800億円 東京建電の年間利益予想25億円
  6. ソニックは隠蔽を決断 闇改修に協力して3分の1の改修を終える
  7. 八角が新聞に匿名の告発
七つの会議では、坂戸の左遷と原島の栄転は、ねじの不正が八角の告発により明らかになったことが理由でした。七つの会議は子会社と親会社の両方で、社長が不正を隠蔽することを決断しています。

八角は過去に同様の不正を梨田常務と稲葉部長が行っていたときに黙認していましたが、今回は会社の企業文化をかえるために不正の告発を行い新聞に匿名で掲載されることになります。

(5)七つの会議の結末

  1. 不正発覚で多額のリコール費用
  2. 東京建電は事実上の倒産で会社分割
  3. 梨田常務(ソニック)と稲葉部長(製造部長)が過去の責任も問われて出向
  4. 宮野社長とトーメイテックが結託していた
  5. 宮野社長は特別背任で告発
  6. トーメイテックは破産 江木社長は自己破産
東京建電は不正発覚により、東京建電製造の座席を採用している航空機や鉄道車両が一斉に運行停止となり社会的に大きな影響を与えています。東京建電は取引の信用を失い、事業存続のために会社の分割を行っています。

七つの会議では、東京建電の宮野社長が強度偽装をトーメイテックに提案しており、発覚後は隠蔽を指示しています。宮野社長が、営業部員のノルマ達成が困難な状況を見て、トーメイテックが坂戸課長に提案するように仕向けていたことが明らかになっています。

カネボウ白斑商品 自主回収失敗の理由と倒産危機を見ると、七つの会議とカネボウの事例を重ね合わせてしまいますね。七つの会議で東京建電は、利益を優先する会社としてなっていますが、不正や不祥事隠蔽の背景を考えると、企業の体質は変わりにくいことが分かりますね。
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