(1)廃業と銀行融資の不良債権
企業は経営が悪化すると倒産しますが、自主的に廃業したことを聞くと悪いイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。販売先の倒産や仕入価格の高騰などにより、資金繰りが悪化している局面で手形の支払いができなくなることがありますが、資金繰り倒産による突発破綻は多いですね。企業の将来性を考えた場合、多額の投資を行っても投資回収ができない業種はあると思います。経営者の決断により、社員へ給料や退職金を支払い、銀行や取引先などの債権者に支払いを行って廃業するのであれば、無理に事業継続して倒産するよりも結果がよいことはあります。
スポンサードリンク
(2)マルナン渋谷店が閉店
マルナン閉店渋谷廃業の理由について、2013年9月2日みんなの経済新聞ネットワークが、渋谷の老舗洋裁生地店「マルナン」閉店へ-71年の歴史に幕 /東京を報じているので見てみましょう。SHIBUYA109近くの洋裁生地・付属品店「マルナン渋谷店」(渋谷区道玄坂2、TEL 03-3461-2325)が9月16日、閉店する。マルナン渋谷店の閉店が話題となっていますが、老舗の洋裁生地店が廃業するようですね。マルナンは自主廃業ですので、厳密に言えば倒産と異なりますが、事業の継続を断念したようです。マルナン渋谷店が閉店に至るまでの会社概要と、廃業の理由について見てみましょう。
(3)マルナンの会社概要
- マルナン社長 河原泰煥(たいかん)
- 1942年 河原泰煥の父親が開業
- 1964年 東京オリンピック開催に向けた区画整備で店舗ビルを建設
- マルナンは雑貨店として営業しながら生地店に移行
- マルナン渋谷店地下1階から3階 4フロアで生地を販売
- マルナン渋谷店4階 平成になり洋裁用付属品の取扱い開始
- マルナン渋谷店5階から7階は事務所や倉庫として使用
- 2013年7月上旬 マルナン渋谷店の店内で閉店の知らせ
- 2013年9月16日 マルナン渋谷店が閉店
マルナン渋谷店の店舗ビルは、建設から50年が経過していたということは、渋谷駅周辺で馴染みある光景として記憶していた方が多いのかもしれないですね。マルナン渋谷店は閉店後に取り壊すようですので、最後に店内を見たり外観を一目見たい方は、早めに行くのがよさそうですね。
(4)マルナンの接客と特徴
- マルナンは対面式接客
- 生地の用尺計算や用途別の生地案内
- マルナン渋谷店の1日のスタッフ人数 約20人ほど
- マルナン取扱生地の産地 国産、中国、アメリカ、ヨーロッパなど
- マルナン取扱生地の種類 コットン資材、高級服地、サテン、レース、舞台衣装向けなど
- マルナン取扱生地の数 1万点以上
(5)渋谷マルナンビルの老朽化と売上減少
- 地震により建物の耐震性・老朽化を検討
- 売上低下により建物移転と事業継続を断念
- 渋谷マルナンビル 取り壊す予定だが時期未定
渋谷マルナンビルは取り壊す予定のようですが、マルナンが新しいビルの建設を行うのか、土地の売却により新たな不動産開発などが行われるのか注目ですね。
(6)マルナン閉店セールの時間
営業時間は10時30分~20時。閉店までの間、同店では「売り切れ次第終了」のセールを行っている。マルナン渋谷店は閉店セールを行うようですが、商品が売り切れると終了ですので、廃業することも分かりますね。企業は商品を在庫として抱えたまま廃業すると、商品の格安売却や処分費用を負担する必要がでてくるため、全てを売却することが好ましいと言えます。
マルナンは、お得意様が多数訪れていたようですが、多様な産地の生地を多数保有していますので、廃業後は代替困難かもしれないですね。マルナンの社長は廃業を決断していますが、借金で身動きできず倒産する事例と比較すると、勇気のある判断と言えそうですね。 スポンサードリンク
0 件のコメント:
コメントを投稿