(1)有名企業の倒産と生活の変化
生活に馴染みのあった物を生産する企業であっても、時代の変化とともに生活必需品が変わっています。儲かっていた製品や仕組みは、時代が変化すると企業も倒産していることが分かりますね。若者にお金がないことが指摘されていますが、大学生の奨学金を見ると受給者数が増加を続けています。奨学金が返済できないため自己破産している学生もいますが、資金繰りに余力のないときの外食で安いお店にお世話になっている方は多いのではないでしょうか。
(2)深澤が破産手続き開始
牛丼太郎、深澤倒産の理由について、2013年9月20日の帝国データバンクが、「牛丼太郎」を展開していた深澤が倒産を報じているので見てみましょう。(株)深澤(TDB企業コード:983309421、資本金1億円、埼玉県和光市白子1-6-10、代表深澤五郎氏)は、9月6日にさいたま地裁より破産手続き開始決定を受けていたことがこのほど判明した。深澤が破産手続き開始決定により、倒産しています。深澤が民事再生ではなく破産を選んだ理由について考えてみると、リストラにより店舗閉店で財務再建を進めており、企業存続が厳しくなっていたことが分かります。
牛丼チェーン店は価格競争が激しいですが、すき家や吉野家などが店舗数の拡大で調達コストの削減を進めており、牛丼太郎はより低価格で提供していたものの競争に敗れて倒産しています。
(3)深澤の会社概要
- 1983年7月設立
- 牛丼太郎の店舗名で牛丼屋をチェーン展開
- 東京都内など約10店舗をピーク時に運営
- 1999年12月期 売上高約5億6000万円
- BSE問題で売上減少
- デフレにより大手企業と安値競争
牛丼屋の大手企業は、すき屋や吉野家ですが1000店舗以上を展開していますので、規模が違いすぎますので価格競争になると厳しい経営になりますね。
(4)深澤のリストラと債務整理
- 1999年12月期売上高 約5億6000万円
- 2008年12月期売上高 約1億6500万円
- 2012年末 事実上営業を停止して債務整理
- 深澤の負債は約2億2000万円
大手企業と競合した場合を考えると、製造業で高い技術力を持つ中小企業はありますが、外食産業は中小企業が大手企業に対して優位に立つことは難しいですね。
牛丼太郎の閉店と深澤が倒産した理由を見ると、飲食店は特別な技術が求められない場合が多いので、全国展開の大手企業と価格競争になると、業績回復は困難であることが分かりますね。
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