(1)リストラによる経営再建と倒産
会社の経営が悪化するとリストラが行われますが、経営環境が悪化したときにリストラを行うと、売上が減少するだけで業績改善には繋がらないことが分かります。銀行融資の格付け 不良債権と倒産を見ると、銀行が不良債権先への貸し出しを原則行わないので、企業業績回復のためには手元に現金がないと厳しいことが分かります。
(2)戦艦大和の設計者が創業
大和産業 倒産理由と戦艦大和について、2013年5月20日の東京商工リサーチが、「戦艦大和」設計者が創業した大和産業が破産したことを報じているので見てみましょう。「戦艦大和」の基本設計に携わった故松本喜太郎氏が創業した大和産業(株)(TSR企業コード:291067158、横浜市鶴見区、松本正毅代表)が5月17日、東京地裁に破産を申請した。大和産業は、戦艦大和の設計者が創業した企業ですが、破産を申請しており倒産しています。大和産業の創業者の経歴について見てみましょう。
(3)大和産業の創業者は海軍で設計に従事
創業者の故松本氏は昭和3年、東京帝国大学工学部船舶工業学科を卒業後、海軍技師大佐として海軍の艦艇設計に従事し、大型駆逐艦「秋月」、航空母艦「伊吹」のほか、戦艦大和の基本設計にも携わったことで知られる。大和産業の創業者は、海軍で設計に従事していますが、戦艦大和の基本設計の他にも、防空駆逐艦として有名な秋月の設計も行っていたエンジニアのようですね。
(4)大和産業と戦艦大和の関係
戦後の昭和23年6月、運輸省払い下げの鋼材・鉄屑を製鉄メーカーに販売する大和産業を設立、社名は「戦艦大和」の「大和」をとり大和産業にしたと言われる。大和産業と戦艦大和の関係は、戦後、会社を設立した際に名前を同じにしたようですね。大和産業の創業者が、戦艦大和の設計者ですので名前に思い入れがあったのでしょうね。
(5)多角化による売上拡大
その後、主要業務は医療機関向けのシステムやソフト、ハード販売のほか、地下鉄向け車両資材の販売、造船・橋梁業者向け資材販売などに変更、ピークの平成1年9月期の売上高は約55億円をあげていた。大和産業は創業期の事業から、取り扱う製品を拡大することで売上を伸ばしていたようですね。大和産業の主要業務を見ると、どういった技術蓄積があったのかは、いまいちはっきりとしないですが、戦艦大和など創業者の設計技術がどう生かされたのか気になりますね。
(6)資産リストラで売上が急減
しかし、収益面は低調で慢性的な業績不振に歯止めをかけるため資産売却で財務改善を図っていたが、24年9月期の売上高は16億1957万円のまで落ち込み、資金繰りが急速に悪化していた。負債は7億3281万円(平成24年9月期時点)。大和産業は資金繰りの改善のために、資産リストラで売上が急減しており、売上が最盛期の3分の1以下に落ち込んでいます。
- 大和産業の平成1年9月期 売上高 約55億円
- 大和産業の平成24年9月期 売上高 16億1957万円
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