ソフトウェア生産技術研究所 倒産の理由

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ソフトウェア生産技術研究所が倒産しましたが、通常の倒産とはやや異なるので見てみましょう。上場企業システナの連結子会社ですが、債権は引当て済みのため業績に影響はないようです。

突発破綻の事例

小野ホールディングスが粉飾決算で倒産しましたが、福井銀行は見抜く事ができず突然倒産したため、180億円前後の損失を計上しています。福井銀行は貸出に貸倒引当金をほとんど計上していなかったため、突発破綻であることが分かります。

ソフトウェア生産技術研究所の倒産について、帝国データバンクが2013年1月30日に東証1部上場・システナ連結子会社ソフトウェア生産技術研究所株式会社特別清算開始決定受けると報道しているので見てみましょう。ソフトウェア生産技術研究所は、負債96億4700万円です。

ソフトウェア生産技術研究所設立の経緯

ソフトウェア生産技術研究所(株)(資本金1000万円、江東区潮見2-10-24、代表清算人甲斐隆文氏)は、1月18日に東京地裁から特別清算開始決定を受けた。 
当社は、1994年(平成6年)10月に設立されたシステム開発会社。創業時の代表者にもなった根来文生氏が長年にわたって研究開発してきた独自のソフトウェア開発方法論である「Lyee(リー)」を事業化すべく、旧・カテナ(株)(現・(株)システナ、東証1部)およびグループ会社の出資を得て設立された。 
ソフトウェア生産技術研究所の設立からの経緯について簡単にまとめます。
  • 1994年(平成6年)10月にソフトウェア生産技術研究所設立
  • システナの連結子会社
  • ソフトウェア開発方法論である「Lyee(リー)」の事業化が目的
  • グループ会社から、受注システム開発を中心に事業を展開
ソフトウェア生産技術研究所は、特定のソフトウェアの事業化が目的で設立、グループ会社からの受注システム開発を主な収入源としていたようです。

累積赤字と業績悪化

旧・カテナ(株)の連結子会社として、親会社とともに共同で事業化を進める一方、同社の受注システム開発の外注先としての業務を中心に事業を展開し、2001年3月期には年収入高約7億9700万円を計上していた。 
しかし設立以来、多額の開発投資負担が重荷となり毎期欠損計上を続け、2004年3月期の年収入高は約2億円にとどまっていた。この間、親会社がLyee事業計画の見直しを進め、同事業からの撤退を表明。2010年3月末時点で事業を休止するなか、同年8月30日開催の株主総会の決議で解散していた。
ソフトウェア生産技術研究所は、ソフトウェア開発だけでなく、グループ会社からの受注システム開発も不調なことが、累積赤字の計上という表現から分かります。
  • 毎期欠損計上←赤字の状況が続いていた
  • 2001年3月期売上高 約7億9700万円
  • 2002年3月期売上高 2億8000万円 13億円の最終赤字(東京商工リサーチより)
  • 2004年3月期売上高 約2億円
  • 2010年3月末時点で事業休止
  • 2010年8月30日開催の株主総会決議で解散
ソフトウェア工業は赤字が続いており、東京商工リサーチの発表を見ると、売上高を大きく上回る赤字を計上していた事が分かります。

債権は引当て済み システナに影響なし

負債は約96億4700万円。 
ただし、債権については2005年3月期に旧カテナ社において全額引当て済であるため、システナの損益への影響はない
ソフトウェア生産技術研究所の倒産と債権を見ると、システナはソフトウェア生産技術研究所向けの債権に全額引当てが終わっており業績への影響がない事が重要です。システナは上場企業であるため、株主の方は業績への影響を心配していた方もいるでしょう。

ソフトウェア生産技術研究所は倒産は計画倒産のため親会社システナは債権の引当てが終わっており、福井銀行の突発破綻との違いが分かるのではないでしょうか。
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