(1)シャープ2015年3月期の業績予想
- シャープ2015年3月期の業績予想 300億円の最終赤字
- シャープ2015年3月期の業績予想 1000億円以上の最終赤字を日経が報道
- シャープ2015年3月期の業績予想 2000億円以上の最終赤字を共同通信が報道
- シャープ2014年3月期の自己資本 1951.6億円のため債務超過のリスクが発生
シャープは、2015年3月期の最終赤字を300億円と発表していましたが、報道のように赤字であれば新たな問題が発生します。シャープの自己資本は、2014年3月期の時点で自己資本が2000億円未満のため、債務超過のリスクが発生することになります。
シャープは、液晶のアクオスブランドで有名になりましたが、堺工場の大型投資に失敗したため業績が急速に悪化しています。シャープの倒産危機を考えれば、大企業の社員が転職をする時代になっており、入社日に転職サイトを利用する新入社員もいる理由が分かりますね。
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(2)シャープの自己資本推移が大幅に減少
- シャープ2012年3月期の自己資本 6259億円
- シャープ2013年3月期の自己資本 1246億円
- シャープ2014年3月期の自己資本 1952億円
シャープの2012年3月期の自己資本は、自己資本が6000億円超になっており、日本を代表する大企業であることが分かります。シャープの業績は、液晶失敗と過剰在庫により巨額の赤字になったため、自己資本が急速に減少しています。
シャープの業績は、減損損失やリストラを拡大するのであれば、大幅に悪化することになります。シャープの自己資本は、2000億円規模の赤字になれば債務超過になるため、DESによる経営支援を要請する方針が報道されているのでしょうね。
(3)DESとは
- DDSとはデッドデッドスワップのこと
- DESとはデッドエクイティスワップのこと
- DESとは債務株式交換を意味しており経営支援の一つ
- DESとは債権者が不良債権先や業績悪化先の経営支援として行われる
- DESのメリットは経営支援が成功すれば債権者は融資を全額回収できる
- DESのデメリットは経営再建に失敗すれば銀行の不良債権リスクが拡大する
- DESのデメリットは既存株主が株式価値の希薄化によって悪い影響が発生する
お金を借りる会社は多いですが、倒産すれば債権者は資金回収できないため、多額の不良債権が発生します。DESの効果は、債権を株式にすることによって経営関与を高めるだけでなく、業績が回復すれば資金回収に成功できるメリットがあります。
シャープは上場企業のため、DESを実行すれば株式価値の希薄化により、一般株主に損失発生にするデメリットがあります。シャープが倒産すれば、株式価値は0円になるため、メガバンクが銀行支援継続の姿勢を見せることで底値での株価下支え効果があると考えることもできますね。
(4)シャープDESで株式希薄化
- 2015年3月3日終値245円
- 2015年3月3日時価総額4168億円
- メインバンクが1500億円のDESを普通株で行えば株式希薄化が大きい
- メインバンクが1500億円のDESを優先株で行えば配当負担が発生する
シャープは倒産危機になっていますが、銀行から緊急融資を受け入れるだけでなく、DESや債権放棄による資金支援の可能性があります。シャープが倒産すれば、メインバンクは本社や工場の不動産担保だけでは全額回収できないため、数千億円の不良債権発生リスクになっていますね。
シャープと銀行は、DESを行うのであれば普通株と優先株のどちらで行うのかが気になるところです。シャープは、銀行の緊急融資によって資金繰り破綻を回避しましたが、みずほ銀行や東京三菱UFJ銀行はDESを受け入れるのか注目ですね。
三菱東京UFJ銀行2015年3月期決算の利益1兆円超をまとめましたが、シャープ向け融資のDESが報じられており、決算に貸倒引当金の積み増しが反映されています。シャープは、DESの実行により格付けが格下げされているため、他行からの新規融資は当面困難になりますね。
(5)シャープのリストラと担保解除
シャープの国内工場リストラ
- 三原工場を閉鎖
- 福山工場は第1工場から第3工場を閉鎖
- 福山工場は稼働率が4割のため第4工場に集約
- 八尾工場などの土地を売却する
シャープの海外工場などリストラ
- 太陽電池事業から撤退を検討
- シャープのメキシコ工場を売却か閉鎖
シャープ経営の問題点
- 円高で海外工場からの国内輸入が赤字
- 中小型液晶パネルの競争激化で採算が悪化
- 2020年まで約2000億円のシリコン調達契約がある
シャープは、リーマンショック後の為替レート円高ドル安により、堺工場の競争力が低下して巨額の赤字が発生しました。シャープは、為替対策のために工場を海外移転していましたが、アベノミクスによる為替レート円安ドル高でも赤字が発生しています。
シャープは、太陽光発電事業からの撤退を検討しているようですが、シリコン調達計画の状況によっては追加損失発生のリスクもあります。シャープは、倒産危機の中でDESを検討していることが報道されており、経営再建に成功するのか注目ですね。 スポンサードリンク
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