(1)不動産会社や宗教法人の脱税
不動産取得は、銀行借入と不動産の担保により行われる事例が多いと思いますが、レバレッジがかかっているため、値上がりによる利益は多額になります。不動産会社は、不動産価格が値上がりすれば、固定資産税や土地取引により多額の利益が発生します。不動産会社の中には、不動産取引で得た多額の利益を節税しようと考えすぎて、脱税している事例がいくつかでていますね。
宗教法人をブローカーから購入して、多額の収益をアースハートは脱税していますが、不動産取引で利益が発生する前に脱税をする方法が過去にあったようですね。
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(2)大阪の土地取引と裏金勘定
大阪府警暴力団担当刑事「祝井十五」の事件簿を見ると、飛鳥会事件で逮捕された、三和銀行元支店長の岡野義市がB勘定について指摘しているので見てみましょう。「もちろん島田紳助のケースではありませんけど、ミナミやキタ新地での土地取引は、キックバックや裏金がつきものでしたんや。B勘(裏金勘定)と言われるその裏金に絡んでくるんが、ヤクザや裏社会の人たちなんやね」大阪の繁華街の一等地は、ミナミやキタ新地であり、三和銀行は大阪が本店の銀行ですので、事例が多かったのかもしれないですね。
(3)裏金による脱税と一等地の土地取引
三和銀行の支店長だった岡野が、一般論と前置きして体験談を語る。
「一等地の土地取引では、売る側が有利なので、買い手を選べる売り手市場になる。その場合、買う側にとって肝心なんが、裏金をいくら用意できるかです。不動産ブローカーなんかの仲介者は、買う側が用意できる裏金の多さを競い、売り手へアピールし、説得の材料にします。売るほうの地主にしても、裏でカネをもらえば不動産の売却益にはならんから、その分の税金を払わんでええ。だから喜ぶんです」B勘定は、一等地の不動産取引で、買い手は不動産を取得するために、売り手は不動産売却による税金減少で利益を得るため欠かせなかったのかもしれないですね。
- 不動産買主 B勘定が一等地の土地取引で不可欠
- 不動産売主 B勘定の金額が大きければ不動産売却益の圧縮で、脱税金額が大きくなる
(4)土地の売却価格を裏金の金額分、安く販売
たとえば15億円で買った土地が高騰して20億円になり、そこで売ると通常なら5億円の売却益が出る。しかし、売主が2億円安く売り、その分を裏金として買い手から受け取るようにすれば、正規の取引では売主の利益が差し引き3億円にしかならない。だが、と岡野が説明を続ける。B勘定による不動産取引について、具体的な数字が仮定として用いられていますので、簡単にまとめます。
- 15億円の土地が20億円に値上がり
- 通常の不動産取引では5億円の売却益
- 売主は2億円安く売るかわりに、B勘定を用いた裏金を受け取る
(5)B勘定による脱税と利益の増加
裏金の使用による税金と利益の変化
「5年以下の短期売買にかかる土地売却益に対する上と課税は、39%となっているので、課税をざっくり4割として3億円の利益で計算すると、税金が1億2000万円。税引き後は1億8000万の儲けです。
けど、実際はそこに2億円の裏金が加わるので、3億8千万円の実入りいうことです。これが裏金抜きで、相場どおりの5億円の利益で売却すると、4割の税引き後の利益は3億円しか残らへん。実に8千万円の差が出るんです」B勘定による脱税により、利益が増加していますが、B勘定を用いた取引による利益と用いなかった場合の利益について見てみましょう。
B勘定による2億円なし 表面上の土地取引は20億円
- 不動産売却益5億円
- 税金2億円
- 税引き後利益3億円
B勘定による2億円あり 表面上の土地取引は18億円
- 不動産売却益3億円
- 税金1億2000万円
- 税引き後利益1億8000万円
- 裏金2億円+税引き後利益1億8000万円=実質利益3億8000万円
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