(1)取引先の倒産による連鎖倒産
取引先が倒産したときに、不良債権や連帯保証により連鎖倒産が発生するときがあります。企業は、取引先の倒産に備えて大口取引先の経営状態の確認や取引先を分散することが求められます。中小企業のケースを考えると、経営資源が限られるため取引先の分散は困難であり、環境の変化に弱いため倒産しやすいと言えます。
(2)前田創作舎が自己破産
前田創作舎、倒産の理由について2013年5月15日の読売新聞が、「復興の狼煙」ポスターの広告会社が破綻したことを報じているので見てみましょう。東日本大震災の被災地に立つ住民の写真と、「前よりいい町にしてやる。」などのコピーで復興への思いを伝えている「復興の狼煙(のろし)」ポスターの制作・販売を実質的に担当している盛岡市の広告会社「前田創作舎」が事業を停止し、自己破産申請の準備に入ったことが14日、分かった。ポスター制作の継続は未定という。前田創作舎が自己破産により、倒産する可能性が高いようですが、ポスターの継続は未定のようですね。前田創作舎は、冒頭に紹介したようなポスターを製作しており高い評価を得ていましたので、報道によりスポンサーが見つかるのか注目ですね。
(3)大口の取引先破綻が倒産の原因
帝国データバンク盛岡支店によると、負債総額は約5300万円。同社は1986年の設立以来、県内の広告賞受賞などの実績を重ねていたが、大口の取引先の破綻や売上高減少で経営が悪化していた。従業員6人を4月30日付で解雇した。前田創作舎が倒産した理由は、大口の取引先の破綻が理由としてあるようですね。
- 平成15年3月期売上高 1億8000万円を計上
- 平成17年3月期2700万円の赤字で債務超過
- 平成18年3月期以降は増収基調を維持して堅調な業績推移
- 平成20年のリーマンショックによる受注減少があり減収傾向
- 平成23年3月の東日本大震災発生によって再び受注減少、最近1年間の売上は約1億円まで減少して収支も採算割れの状態
(4)復興の狼煙ポスタープロジェクト
ポスターは、震災発生直後の2011年3月下旬頃から「『復興の狼煙』ポスタープロジェクト」としてスタート。ネットなどを通じ「感動した」などの反響が広がり、B3判のポスターが県内を中心に多くの場所で掲示されている。海外向けに英訳版も制作された。ポスターは同社を通じネット販売され、収益は被災自治体に寄付されている。前田創作舎は、復興の狼煙ポスタープロジェクトが好評でしたが、収益を寄付することで被災地の復興支援を行っていたようですね。
(5)前田創作舎のポスター製作継続は未定
同社の川村英夫社長は、「ポスター制作の継続を含め決まっていない。現時点では何も答えられない」としている。前田創作舎は従業員を解雇しており、ポスター制作の継続は未定のようですね。前田創作舎が自己破産で倒産するということは、スポンサーが現れなかったのだと思いますが、ポスター制作を引き受ける企業があるのか注目ですね。 スポンサードリンク
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