境こども園の公式twitterアカウントとされるものには、業者の倒産による告知などは一切行っていないようですね。成りすましでなければ、武蔵野市子ども協会境こども園の公式アカウントと説明しており間違いないでしょう。
管理人が確認したところ、武蔵野市の境こども園のホームページでは、児童の募集が終了した記載はありますが、今回の経緯についての説明を見つけられませんでした。
(1)沖島工業の倒産で建設工事が停止
境こども園と取引先の業者の倒産について、2013年1月13日の読売新聞が報じているので見てみましょう。東京都武蔵野市内で4月に開園を予定していた同市初の認定こども園が、工事を受注した業者の倒産で建設が中断し、開園の見通しが立たなくなっていることが分かった。(読売新聞)
同園は、同市内の「沖島工業」が指名競争入札で落札し、昨年4月に着工。今年3月上旬に完工予定だった。しかし、昨年11月30日、同社から市側に突然、東京地裁から破産手続きの開始決定を受けたと連絡があった。(読売新聞)境こども園は、沖島工業に建設を委託していましたが、完成を前に倒産したようです。沖島工業の倒産は、2012年11月30日ですので境こども園の建設は止まっていたようですね。
(2)幼稚園と保育園が建設予定
工事が中断しているのは、市立境幼稚園(2012年3月閉園)の跡地に建設中の「境こども園」。鉄筋コンクリート造り2階建てで延べ床面積は約1600平方メートル。幼稚園と保育園(定員計107人)、自由に来所できる子育てスペースを併設する予定だった。(読売新聞)境こども園は、建設前は境幼稚園という幼稚園だったようですね。境こども園の建設計画と概要をまとめます。
- 2012年3月 境幼稚園が閉園
- 2012年4月 沖島工業が着工
- 2012年11月30日 沖島工業が武蔵野市に倒産した事を連絡
- 2013年3月 上旬 境こども園が完成予定(当初)
- 2013年4月 境こども園が開園予定(当初)
- 2013年秋 開園予定だが、業者選定が終わらず(倒産後の予定)
(3)こどもの転園手続きや業者選定が進まず
同園の発注者で、市が財政出資している公益財団法人「武蔵野市子ども協会」と、管理に関わる市は、後継業者の選定や、入園内定者の転園手続きなどに追われている。(読売新聞)沖島工業は、2012年11月30日に倒産しており、すでに1ヶ月以上が経過しています。境こども園建設の業者選定や、こどもの転園手続きが終わっていないとなると、少し遅く感じます。
(3)武蔵野市の対応
同園については昨年9月、入園希望者の選考を済ませており、今年4月からの入園者がすでに内定していた。(読売新聞)
このため市などは、近隣保育園に転園してもらうか、協会が実施を検討中の市民会館などでの振り替え授業に参加するなど、内定者側の意向に沿った形にできるよう、対応に追われている。(読売新聞)武蔵野市は、境こども園に内定していた、こどもに保育園か振り替え授業への参加などを検討しているようです。
境こども園のかわりになる、近隣保育園や市民会館などは、予定していた境こども園と違う場所にあると思います。保護者の方々の負担が増す事になると思いますが、武蔵野市に落ち度がなかったのか見てみましょう。
(4)税金が返ってこない可能性あり
建物の本体部分は既に工事を終えており、同協会は契約金約4億円のうち、中間金など約1億6000万円を支払い済み。(読売新聞)
今後、同協会と同市は、近いうちに工事の遂行割合や債務不履行額の査定を済ませ、保証会社を通じて債権を回収。その後、残る工事を請け負う業者を再選定し、今秋にも完工させたい考えだ。(読売新聞)境こども園を建設していた、倒産した業者に武蔵野市はすでにお金を払っています。沖島工業は倒産しており、支払われた税金は再建一律カットにより損失がでるのではないでしょうか。
(5)境こども園の工事で不具合があったときにどうするか
ただ、別の業者が建設に関わった物件の工事請負に手を挙げる業者を選び直すには、契約時に前業者が関わった工事に関する瑕疵担保責任などを明確化させる必要があり、難航も予想される。(読売新聞)最大の問題は、境こども園の工事が再開され、完成した後に不具合が見つかったときに、責任をとる業者が倒産している可能性があることです。
(6)境こども園の工事再開への課題
- 工事がどのような状況でどこまで進捗しているのか
- 現場は風雨に対してどのような保全状態であるのか
- 業者の選定はいつ終わるのか
- 税金の損失金額と、新しい業者にいくら払う必要があるのか
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