武富士メリルリンチ訴訟仕組 過払い金の影響

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武富士メリルリンチ訴訟の仕組は、仕組債と信託契約がポイントになります。武富士は、メリルリンチから145億円の損害賠償を受取れば、過払い金返還として債権者配当が行われそうですね。


(1)武富士訴訟とJトラストの買収

武富士は、消費者金融の大手企業でしたが、総量規制とグレーゾーン金利の廃止によって収益が減少しました。武富士は、多額の過払い金返還もあったため、会社更生法を申請して倒産していますね。

武富士は倒産していますが、Jトラストグループは消費者金融事業、TFKは倒産手続きや過払い金返還の手続きを行っています。武富士のように、消費者金融は倒産が相次ぎましたが、過払い金返還に大きな影響を与えていますね。

過払い金の時効は10年になりますが、倒産すれば弁済率の数%しか返済されないことが多く、倒産後に債権者の届出をしていなければ1円も回収できないです。アコムやプロミスなどの大手消費者金融は、過払い金の返還を続けていまので、武富士など倒産した消費者金融とは大きく違うことが分かりますね。
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(2)武富士のメリルリンチ社債の仕組み

武富士とメリルリンチの利害関係

  1. 武富士の状況 財務を改善したい
  2. 武富士の状況 社債償還を先送りしたい
  3. メリルリンチの状況 手数料収益を儲けたい

武富士の社債償還と信託契約

  1. 武富士の社債発行 2002年
  2. 武富士の社債償還 メリルリンチが元利払いを引き受け
  3. 武富士の社債償還 武富士とメリルリンチが同額の信託契約
武富士メリルリンチ訴訟、過払い金の影響について、2014年8月28日の日経が、取引の概要について報じているので見てみましょう。武富士とメリルリンチ証券の当時の状況は、武富士が資金繰りの問題を抱えている一方、メリルリンチは手数料収益を稼ぎたいという利害関係になっていますね。

武富士とメリルリンチ証券の契約は、メリルリンチが社債の元利払いを引き受けており、スポンサーになっているように見えます。武富士とメリルリンチ証券は、社債償還と同時に、信託契約を締結していることがポイントになりますね。

教育資金贈与信託の比較 口コミ破綻をまとめましたが、信託契約の特徴は、お金の使い道を特定の資金使途に限定することにあります。武富士とメリルリンチは、信託契約を締結していますので、武富士が倒産したとしても過払い金などの債権者として分配されないと言えますね。

(3)メリルリンチの武富士取引による収益

武富士とメリルリンチの金融取引

  1. 武富士の社債償還
  2. 武富士の信託契約 社債償還と同額を信託
  3. 武富士の支払資金 信託銀行で仕組債として運用

メリルリンチが武富士から得た収益

  1. 武富士との信託契約 信託手数料
  2. 武富士への仕組債販売 仕組債の販売手数料
  3. 武富士への仕組債販売 デリバティブ契約の組成手数料
武富士とメリルリンチの取引について、管理人の推測ですが、金融取引をまとめると上記になります。武富士は、メリルリンチに対して信託しているものは社債ではなく、社債と同額を信託していることが最大のポイントになります。

武富士とメリルリンチとの取引関係について、土地や債権など価格が変動するものを信託しているのではなく、社債償還と同額を信託していることがポイントになります。武富士は、社債のデフォルト回避とオフバランスによる財務改善によって、資金繰り面のメリットは大きいように見えます。

武富士とメリルリンチのスキームは、信託した資金をデリバティブの仕組債で運用することによって、武富士の資金負担を軽くするという目的もあったのではないかと推測しています。メリルリンチは、武富士から信託報酬だけでなく、仕組債の組成と販売によって多額のアップフロント収益を得ることに成功していたと言えますね。

(4)リーマンショック発生と武富士の損失

  1. 武富士の購入商品 仕組債
  2. 武富士の購入商品 デリバティブを活用
  3. 武富士の損失発生 サブプライム問題の発生
  4. 武富士の損失金額 約290億円の損失が発生
  5. 武富士の信託契約 社債償還と同額を信託している
  6. 武富士の決算処理 2008年3月期に296億円の特別損失計上
武富士は、信託銀行を通じて仕組債を購入しており、高い運用利回りを狙っていたのでしょう。武富士が購入した仕組債は、組み込んでいた債券価格がサブプライム問題で暴落したため、多額の損失が発生していますね。

エドウィン倒産危機 ADRの理由をまとめましたが、デリバティブ損失が倒産のきっかけになっています。武富士のデリバティブは詳細不明ですが、為替デリバティブでよくあるのは、ドル円の為替レートが一定金額を超えれば損失が発生するものですね。

外資系証券会社は、損失発生リスクの非常に高い仕組債を販売することで、多額の手数料収益などを儲けていました。武富士は、社債償還と同額の約300億円を信託していますので、仕組債の損失分を補填するために多額の損失が発生したということでしょうね。

(5)武富士が得た損害賠償と過払い金返還

  1. 武富士の判決 2014年8月27日
  2. 武富士の上告 東京高等裁判所
  3. 武富士の損害賠償 145億4905万5773円
  4. 武富士の損害賠償利息 年5%の遅延損害金
  5. 武富士の損害賠償利息 2008年3月18日から支払い済みまで
  6. 武富士の損賠償算定根拠と責任 5割の過失相殺が武富士の責任
武富士メリルリンチ訴訟仕組、過払い金の影響について、2014年8月27日のTFKプレスリリースを見てみましょう。武富士メリルリンチの訴訟は、武富士の一審敗訴により東京高等裁判所に上告していますが、武富士が勝訴しており損害賠償が認められていることが分かります。

武富士の責任は、東京高等裁判所が5割として過失相殺したため、メリルリンチに損失の約半分の支払いを命じています。武富士は倒産していますので、メリルリンチが最高裁判所に上告しなければ、TFKが受取ることになりますね。

武富士の過払い金に対する影響は、債権者に対して損害賠償が分配されるため、配当を得ることができます。武富士の各種裁判は、長期化しているものは多いですが、過払い金返還の配当は続いていることが分かりますね。
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