(1)保育業界の動向
保育士は、非正規雇用の割合が増加しており、同じ職業でも給与格差は拡大しています。公務員の正社員保育士は、非正規保育士の3倍以上の給料になっているため、保育士の中でも格差は拡大していることが分かります。高校生が、保育士は安定しているというイメージだけで、300万円の奨学金を借りる番組が美談のように放送されていました。現役の保育士に聞くだけでなく、インターネットを使えば保育業界の厳しさを情報収集できますが、子供の知識はそんなものということでしょう。
自治体は、税金の無駄遣いにより財政が悪化しているため、保育予算のカットを続けてきました。非正規保育士は、保育士の50%以上に割合が拡大しており、ほとんどの保育園が非正規化しているということですね。
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(2)保育士の都道府県別求人倍率ランキング
- 東京都の保育士求人倍率 5.39倍
- 広島県の保育士求人倍率 3.27倍
- 神奈川県の保育士求人倍率 2.66倍
- 埼玉県の保育士求人倍率 2.63倍
- 茨城県の保育士求人倍率 2.36倍
- 和歌山県の保育士求人倍率 2.33倍
- 栃木県の保育士求人倍率 2.32倍
- 鳥取県の保育士求人倍率 2.31倍
- 徳島県の保育士求人倍率 2.09倍
- 沖縄県の保育士求人倍率 2.08倍
- 2015年10月 全国の保育士求人倍率 1.93倍
舛添都知事は、韓国人学校の無償供与優先が批判されており、保育政策を後回しにしています。待機児童は、人口増加の続いている東京都が1万人前後になっており、保育政策が追いついていない現状です。
保育士は、2014年4月1日時点の求人倍率が、首都圏以外でも高い地域もあります。東京都は、人口が多く若者が多い地域のため、保育政策よりも韓国人学校優先したことを批判されるのも当たり前ですね。
(3)延長保育の規制緩和により無資格者を増やせる
- 幼稚園の通常 1日4時間程度預かる
- 幼稚園の延長保育 4時間後に子供をさらに預かる
- 延長保育の配置基準 子供の年齢や人数に応じて決まる
- 延長保育の配置基準 職員の半分以上が幼稚園教諭か保育士
- 延長保育の基準緩和 職員の3分の1以上が幼稚園教諭か保育士
延長保育は、幼稚園の時間終了後に子供を預かる制度になっており、職員の配置基準が決められています。現状は、職員の半分以上が幼稚園教諭か保育士になっており、保育資格の無資格者を雇うことができます。
2016年4月からは、幼稚園や保育士が3分の1以上であれば、延長保育ができるように規制緩和されます。待機児童問題は、保育士不足により解決が急がれているため、無資格者を増やすことにより人員を確保するといういことですね。
(4)保育士として幼稚園教諭や小学校教諭が働ける
- 保育士2人以上の配置を常に義務付け
- 保育士1人以上の配置に朝と夕方は規制緩和
- 小学校教諭は5歳児の保育を行える
- 幼稚園教諭は3歳児から5歳児の保育を行える
- 保育業務経験者は自治体の研修受講により働ける
保育士不足に対応するために、幼稚園教諭や小学校教諭も保育できるようにして、人材確保できるようになります。乳幼児は、保育によるリスクが高く対応が難しいため、小学校教諭と幼稚園教諭が保育する年齢は限定されています。
保育園の人材確保は、保育資格や看護士資格の有資格者が中心になってきましたが、保育業務経験者も規制緩和が行われます。保育業界で働きたい人は、大学の教育学部に進学して教諭資格を保有した人だけでなく、大学に進学していない人も働けるようになるということですね。
(5)保育業界規制緩和の影響
- 保育士不足が緩和される
- 保育士資格試験が年2回に増える
- 保育業界に保育士資格の無資格者が増える
- 保育業界に中高年のパートタイマーが増える
- 保育業界はコストが低下するため開園しやすくなる
保育業界は、中高年の子育て経験のあるパートタイマーを増やすことになるため、人材不足は解消していくでしょう。JPホールディングスは、保育士の人材不足により採用コストが上昇していたことを経営課題にしており、人材採用の規制緩和が追い風になりそうです。
政府は、保育園に対する補助金を拡大する意向もあるため、保育園の定員増加が続いています。待機児童問題は、保育施設の充実による新たな需要発生が続いているため、保育士業務の規制緩和により対応していくということですね。 スポンサードリンク
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