サンマルク株主総会と経営戦略

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サンマルクホールディングスの株主総会があったため、勉強も兼ねて、管理人も参加してみました。木村社長は、経営戦略や質疑応答に丁寧な説明をしており、安定成長路線が継続していきそうですね。


(1)サンマルク株主総会の概要

  1. 株主還元について
  2. 月商2か月分の現金確保
  3. 出店拡大は賃料を見ながら継続
  4. 社長の景況感と経営見通しについて
サンマルクホールディングスの株主総会が、2016年6月28日火曜日10時から、グランヴィア岡山にて行われました。サンマルクホールディングスは、サンマルクカフェやレストランを中心に経営しており、鎌倉パスタなども積極的な出店により知名度を急速に向上させています。

コーヒーチェーン店は、ドトール日レスやサンマルクなど無借金経営が多く、フリーキャッシュフローが潤沢なことに特徴があります。サンマルクホールディングスは、業績が安定しており増収増益のトレンドなだけでなく、無借金経営を続けていることにも特徴があります。

サンマルクの今後について、筆頭株主でもある片山社長が、株主総会の中で丁寧に質疑応答を行っていました。サンマルクの株主総会は、店舗運営について多数の改善事項を指摘していただけでなく、30分後には役員が改善指導していたことも印象的でした。
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(2)株主還元は自社株買いを考えていない

  1. 株主優待は優待カードを継続
  2. 株主優待は優待カードの割引率拡大は検討せず
  3. 配当は会社成長率と配当性向のバランスを重視
  4. 配当は会社成長率0%ならば配当性向40%を目安にする
  5. 配当は会社成長率40%ならば配当性向0%を目安にする
  6. 配当は会社成長率0%ならば配当性向40%を目安にする
  7. 株価の下落には一喜一憂せずに本業投資を重視していく
  8. 自社株買いは直近に行うことを考えておらず現金確保を優先する
サンマルクの株主還元について、株主優待や配当についての考え方、自社株買いについて片山社長が説明しています。片山社長は、100株でよいので長期保有の株主を求めており、出店地域拡大により近隣の個人株主が増加しているようです。

個人投資家が、長期投資家に対して優待割引率拡大などは検討してないかについて、現状のまま優待を継続していくとのことでした。サンマルクホールディングスの配当は、会社成長率と配当性向のバランスを考えていくことを方針としており、アメリカのマイクロソフトのバランスを見ても妥当であると説明しています。

サンマルクホールディングスは、無借金のキャッシュリッチな会社ですが、自社株買いは直近に行うことはないと明言しています。サンマルクホールディングスの手元現金は、月商2か月分まで増やしていく経営方針のようですが、マイナス金利の中でも将来投資により利益を生むことができるとしています。

(3)月商2か月分の現金確保して投資枠を確保

  1. 2016年3月期売上高 660億円
  2. 2016年3月期現金預金 94億円
  3. 2016年3月期営業キャッシュフロー 80億円
  4. 約120億円(月商2か月分)まで現金預金を増加させる
  5. 社長が創業期に現金の調達に苦労したことがある
  6. 同業他社がリーマンショック後に現金調達できず出店失敗
  7. サンマルクホールディングスがリーマンショック後に出店した店舗が高収益で貢献
サンマルクホールディングスは、月商1.5か月分の現金預金を確保しており、現金商売であるため営業キャッシュフローも黒字を継続しています。サンマルクホールディングスは、無借金経営を続けているだけでなく、当期利益と営業キャッシュフロー黒字を続けてきた優良企業と言えます。

片山社長は、月商2か月分まで手元現金を拡大するとしており、日本電産の永守社長を事例としてあげていました。片山社長は、サンマルク創業期に現金が不足していたため、資金繰りに苦労したという体験談を語っています。

サンマルクホールディングスは、リーマンショック後に店舗を格安で大量確保することに成功しており、キャッシュリッチのため高収益店舗を生み出すことに成功しています。サンマルクの喫茶事業売上高289億円、営業利益44億円のため、株主還元を増やすよりも高い利益を見込めるということでしょうね。

(4)2000店舗までの出店拡大を想定

  1. 出店は適正賃料を見極め
  2. 藤井取締役は200店舗まで出店担当
  3. 浅野取締役は1000店舗の開発実績がある
  4. 1989年6月期 1店舗
  5. 1998年6月期 114店舗
  6. 2007年6月期 378店舗
  7. 2016年6月期 863店舗
  8. 2017年6月期 930店舗 公表予想数値
  9. 国内2000店舗までの出店は想定している
  10. 国内は直営店、海外はフランチャイズ展開
片山社長は、サンマルクホールディングスの出店について、国内2000店舗までは想定していることを説明しています。サンマルクホールディングスは、安定した出店ペースによる店舗拡大を続けたため、国内1000店舗を2.3年後に達成することになりそうです。

チェーン店は、出店コストや立地が重要になりますが、サンマルクは業績の拡大に成功しています。サンマルクホールディングスは、浅野取締役が店舗の立地調査を担当しており、青山商事に勤めていたときと合わせて1000店舗の開発実績があるようです。

サンマルクホールディングスは、国内店舗を直営店舗中心にしており、木村社長は直営店のメリットを重視していることを説明しています。木村社長は、FC展開はFCオーナーの営業力が生かされるとしながらも、直営店による最良の立地確保などを重視した経営戦略を採用しているようですね。

(5)景況感など

  1. 景気の先行指標が悪化
  2. 百貨店売上高は一定の相関がある
  3. 手元現金を確保して投資チャンスを見ている
  4. 面的出店による出店拡大や人気店は店舗拡大していく
  5. 東京への本社移転はコスト高のため考えておらずIT活用
  6. 株主から店舗の清掃について指摘 役員が総会後に対応していた
木村社長は、景気の先行指標など経済指標によいものがないため、先行きはかなり厳しく見ているようです。サンマルクホールディングスの事業には、正の相関関係が百貨店売上高とあるようですが、百貨店売上高も厳しいようです(客単価やターゲットを考えればサンマルクと思います)。

サンマルクホールディングスの経営戦略は、手元現金を確保しながら、採算重視と投資を継続するようです。サンマルクカフェの人気店舗は、高い収益性を見込めるため、より広い周辺物件に引っ越すことも積極的に行うようです。

木村社長は、面的出店により既存店舗に2店目・3点目を出店していく戦略を説明しており、サンマルクカフェの近くにサンマルクや鎌倉パスタが出店していることを見た方もいると思います。サンマルクホールディングスは、木村社長が経営戦略を丁寧に判りやすく説明しており、無借金経営の手堅い経営が続きそうです。

株主総会終了後、個人株主からイオンモール岡山の店舗清掃について指摘があったため、管理人は昼食休憩を兼ねてホコリがそんなに溜まっているのか見に行きました。サンマルクグループの幹部が、株主総会終了直後に店舗指導してスタッフが清掃していたため、業績好調でもオペレーションの緊張感の続いている優良企業と言えそうです。
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