ヴァンネット倒産の理由

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ヴァンネット倒産の理由は、ワインファンドの自転車操業を、続けることができなくなったからです。ヴァンネットは、ワインを個別ファンドごとに管理しておらず、ワインの在庫もほぼないようですね。


(1)投資詐欺は繰り返されている

ローリスクハイリターンは、投資詐欺であると言われてきましたが、詐欺被害者はいつの時代も発生しています。ゼロ金利は、銀行預金や社債金利を押し下げているため、少しでも有利に運用したいという心に漬け込むのでしょう。

芸能人は、投資詐欺の広告塔として使われており、安愚楽牧場やMRIインターナショナルでも宣伝しています。一般人は、芸能人に憧れを持つようになっているため、騙されてしまう人がいるのでしょうね。

投資ファンドは、複雑な仕組みの金融商品が積極的に宣伝されており、豪華なパンフレットが多いでしょう。全ての投資家は、シンプルな金融商品を選んだほうが、理解しやすく騙されにくいため成功しやすいということですね。
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(2)ヴァンネットの会社概要

  1. 2000年7月 ヴァンネット設立
  2. 2001年4月 ワイン投資ファンドを組成
  3. 2014年6月 ワイン投資ファンドを今まで25本販売
  4. ワイン投資ファンドの出資者 1989人
  5. ワイン投資ファンドの出資金 77億5000万円
ワイン投資ファンドは、金や石油などのコモディティに投資するファンドに似ており、ワインに投資することで利益を得ると説明してきました。ワイン投資は、経営コンサルタントの内藤忍氏が紹介しており、年利15%以上になることを週刊誌で紹介していますね。

ヴァンネットのワインファンドは、1989人の出資者から77億5000万円を集めて出資していたことを、信用調査会社が発表しています。詐欺商品は、出資者に対してタコ配当を繰り返しているため、満期になって逃げられれば破産することになります。

MRIインターナショナルの事例でも、満期が近づいた顧客に対して、同じような商品を薦めています。ヴァンネットは、ワイン投資ファンド25本を組成販売していますが、高利回りに引き付けられた投資家に販売してきたということでしょうね。

(3)関東財務局が金融商品取引業の登録取り消し

  1. 2015年12月3日 高橋社長の虚偽報告が判明
  2. 2015年12月25日 関東財務局長が業務改善命令
  3. 2015年12月25日 関東財務局長が金融商品取引業者の登録取り消し
ヴァンネットの倒産は、2015年12月から急激に進行しており、詐欺の仕組みのため破産を選択しています。ヴァンネットは、金融商品取引業者の登録免許が取り消されているため、投資ファンドとしては事業を続けられなくなったということですね。

ヴァンネットは、高橋社長の虚偽報告が判明しており、財務省関東財務局が業務改善命令も発令しています。業務改善命令の内容は、顧客への説明責任や問い合わせに対応するだけでなく、会社財産の保全や運用財産の分配などです。

ヴァンネットは、2016年3月4日になってから投資家説明会を開催しているため、真摯に対応しているようには思えません。ヴァンネットは、関東財務局から残った資産の保全と分配を命じられていますが、自転車操業のため分配金はほとんどないでしょうね。

(4)ワインファンドの自転車操業の方法

  1. 期間5年 金利15%の仮定
  2. 仮定1 ワインファンドA 2001年 1億円募集
  3. 仮定2 ワインファンドB 2006年1億円募集してワインファンドAの償還資金にする
  4. 仮定2 ワインファンドC 2006年1億円募集してワインファンドAの償還資金にする
  5. 仮定3 ワインファンドD 2011年 1億円募集してワインファンドBの償還資金にする
  6. 仮定3 ワインファンドE 2011年 1億円募集してワインファンドBの償還資金にする
  7. 仮定3 ワインファンドF 2011年 1億円募集してワインファンドBの償還資金にする
  8. 別ファンドの資金を流用して償還を迎えたファンドに払い戻しを行っていた
  9. 個別のファンドがきちんと保全されておらず自転車操業の状態になっていた
ヴァンネットの資金繰りは、実態のない利益を顧客に分配しているため、自転車操業の状態になっていました。ねずみ講やポンジースキームという呼ばれ方をしていますが、最初から運用できていないため、詐欺と言われても仕方がないでしょう。

ワインファンドの実態は、簡単に推測すると、別々の時期に次々とファンドを組成していったのでしょう。ヴァンネットは、手元の運転資金を確保できていないため、ワインファンドの資金を流用しながら存続してきました。

ヴァンネットは、ヴィンテージワインの売買により帳簿上の利益がでていなかったため、架空利益を計上してきました。ヴァンネットは、ワインファンドの粉飾決算により手元資金が不足するため、新しく募集したファンドの資金を過去のファンドの償還資金に流用していったということですね。

(5)ヴァンネット粉飾の仕組み

  1. 実際 ワイン1000本売却 1本20000円で売却しており2000万円の収入 
  2. 帳簿上 ワイン500本売却 1本40000円で売却しており2000万円の収入  
  3. ヴァンネットはワイン売買に失敗していたため実際の在庫が減少していく
  4. 棚卸資産の誤魔化しは粉飾手法として一般的であるため確認なしはおかしい
  5. ワインファンド14本が未償還 未償還出資者523人 未償還出資金36億7000万円
ヴァンネットは、ワインファンドの売買に失敗していたため、帳簿上の粉飾を行っていたという指摘があります。企業が、粉飾決算をすときに在庫の数値を操作して、売上高と利益を水増しすることはよくある話ですね。

ワインは、金融商品としてシンプルな投資対象のため、単純に売買することにより利益を生み出します。ヴァンネットは、ワインの売却が重要ではないにも関わらず、販売単価を帳簿上だけ高く見せかけていたようです。

ヴァンネットは、それぞれのワインファンドが保有するワインを分別管理していなかったため、自転車操業によりどんどん資産が減っていったということでしょう。ヴァンネットは、新規契約者を増やさなければ破産する詐欺の手口のため、倒産する頃に出資者に返済するお金はほとんどない状況になりますね。
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2 件のコメント:

  1. たむごん様、「あぐら物語日記」のrokoと申します。お久しぶりです。

    今、日記を見直しましたら…あれっ、お知らせしたかしら?って気付いたもので…
    遅くなり大変申し訳ありません。
    先日、当ブログにコチラの記事を引用させていただきました。
    いつも参考にさせていただき、ありがとうございます。

    国内唯一の「ワイン投資」ファンドであるヴァンネット、虚偽報告の事実判明、負債40億円超、債権者530名以上を抱え破産(2016年3月7日)
    http://roko1107.blog.fc2.com/blog-entry-3410.html

    今後とも宜しくお願い致します。
    ご自愛くださいませ。

    返信削除
    返信
    1. >rokoさん
      rokoさん、ご無沙汰してます^^
      かなり遅めの明けましておめでとうございますですね。

      記事、使ってください^^
      広告塔の内藤さん、書店に本が並んでいるのですが、倒産した後に見てみると何とも微妙な印象を受けます。

      そういえば、みんなの大家さんも、いろいろかわった路線に進んでるみたいですね…。

      削除

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