東芝 粉飾決算の真相

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東芝が、粉飾決算として発表すれば、メガバンクは1兆円以上の不良債権処理が必要になるリスクがあります。東芝と東電は、マスコミの配慮や大手銀行を考慮したような対応は似ていますね。


(1)国策企業の倒産回避

東芝は、日本を代表する国策企業の一つであり、1兆円以上の多額の借入を行っています。東芝の細かい数字は把握していませんが、海外プロジェクトファイナンスや貿易取引を含めれば、大手銀行は1兆円以上の与信残高があるでしょう。

政府は、日本原電や東電のような電力会社は、倒産させない政策を原発事故のときに行ってきました。電力会社は、数千億円から1兆円以上の銀行融資を受けるため、倒産すれば大手銀行は年間利益を超える不良債権が発生するからです。

東京電力は、日本最大の電力会社として三井住友銀行だけでも7000億円以上の融資があるため、不良債権先に格下げされないスキームを採用してきました。日本の株式市場は、国策企業に対して政府の救済が行われることが多いため、株主や経営者や銀行は救済されているとういことですね。
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(2)東芝の粉飾決算が拡大

  1. 東芝の一部インフラ関連事業
  2. インフラ関連に工事進行基準を採用
  3. 工事原価総額過少見積や工事損失を適時計上していない
  4. 上記以外にも調査が必要な項目がある
  5. 半導体、パソコンやテレビの粉飾決算も調査中
東芝粉飾決算で株価暴落をまとめましたが、2015年7月になっても、不適切会計の調査は継続していることを発表しています。東芝の業績は、半導体部門が利益の大部分を支えているため、不適切会計の範囲拡大に驚いた方は多いでしょう。

東芝は、家電のイメージを持っている方は多いと思いますが、主力事業は政府や企業向けの取引が中心に変化しました。東芝の事業は、受注金額1000億円超の事業があるだけでなく、受注から資金回収までの期間が長くなります。

東芝だけでなく、為替レート変動や材料価格高騰、工期の遅れなどはプラント会社などではよくある話です。東芝の問題は、粉飾決算が特定事業に発生しただけでなく、全社で行われた疑惑があるため経営者のリストラ問題に発展していますね。

(3)東芝の資金繰り危機 融資枠の増枠を要請

  1. コマーシャルペーパーを大手企業は発行
  2. コマーシャルペーパーは一定水準の格付けが必要
  3. 東芝はコマーシャルペーパーで資金調達をしてきた
  4. 東芝はコマーシャルペーパーで資金調達できないリスクがある
  5. 東芝は資金繰り破綻を防ぐため未使用の融資枠3500億円から増枠要請
  6. シンジゲートローンによる融資枠の設定は多額の融資手数料が必要になる
  7. シンジゲートローンによる融資枠の設定はパナソニックが一時的に設定した
大手企業は、高い信用力を生かしてコマーシャルペーパーを発行することにより、証券市場から低利で数千億円の運転資金調達を行っています。東芝は、粉飾決算が明らかになっているため、格付け低下によりコマーシャルペーパーを発行できないリスクが生まれました。

東芝倒産危機のリストラを見れば、粉飾決算発覚の当初よりも、経営実態は深刻な状況になっています。東芝の格付けは、ジャンク債に転落しているため、銀行支援がなければ資金繰り倒産していたと言えるでしょう。

東芝は、2兆円近い銀行融資を行っているだけでなく、未使用の融資枠は3500億円残っていることが報道されています。東芝は、コマーシャルペーパーが発行できないときに備えて、大手銀行に融資枠の増枠要請を始めていますね。

東芝だけでなく、パナソニックは経営危機のときにシンジゲートローンによるコミットメントライン(融資枠)を設定していました。シンジゲートローンによる融資枠は、1%前後の融資手数料が必要になるのに契約を申し出ているため、東芝の運転資金は以前よりも厳くなる見込であることが分かりやすいですね。

(4)東芝の粉飾決算と報道すれば銀行融資ができなくなる

  1. 田中久雄社長が辞任の見込
  2. 佐々木則夫副会長が辞任の見込 前社長
  3. 東芝は不適切会計とマスコミが報道を続けている
  4. 東芝の銀行融資は粉飾決算であれば1兆円担任の不良債権発生
  5. 東芝の粉飾決算として処理すれば銀行が新規融資は難しくなる
  6. 東芝やマスコミの発表は顧客イメージだけでなく銀行取引を考慮した可能性がある
東芝の不適切会計は、田中社長や佐々木副会長の辞任に発展しており、単なる会計ミスではないことが分かりやすいでしょう。東芝の粉飾決算は、不適切会計としてマスコミの報道が続いており、違和感を感じた方も多いと思います。

東芝は、2兆円近い融資枠や貿易与信だけでなく、追加の融資枠設定を大手銀行に申込んでいます。東芝が、粉飾決算による赤字として発表すれば、最悪の場合は不良債権先に格下げとなり銀行支援を受けられないリスクが高まります。

大手銀行は、東芝のような国策企業を見捨てることはないですが、日本流の落とし所で刑事責任も問わないということなのでしょうか。東芝グループは、10万人以上の社員を連結で抱えているため、匿名でも内部告発がなかったことは不思議に感じています。

投資家は、株式を購入して損をしたとしても自己責任と言われていますが、会計事務所や経営者が誠実で有能なことが前提になっています。東芝の粉飾決算は、技術力の優れた会社であっても、投資する魅力のない会社として見捨てられも仕方がないですね。

(5)東芝の経営者が日本郵政でも巨額損失


  1. 監査法人が決算を認めない
  2. 取引銀行の格付け低下が止まらない
  3. 日本郵政でも海外買収で巨額損失発生

東芝倒産のリスクを、2017年4月にまとめましたが、主力銀行の経営判断は失敗しています。三井住友銀行などは、数千億円の株主代表訴訟リスクを背負いながら、融資を継続していくのか注目でしょう。

監査法人は、東芝の決算を認めずに調査しようとしましたが、東芝は意見の相違があるとしてきました。東芝は、監査法人を解任するという暴挙にでましたが、新しい監査法人が見つからずに屈服しています。

東芝の大物OBは、西室元会長がウエスチング買収に失敗したうえに、日本郵政のトール買収も失敗したため巨額の損失をだしています。西室氏は、ウエスチングハウス買収失敗とトール買収失敗などで1兆円以上の損失を出したため、東芝の元役員に高い役員報酬を払う価値がないことを証明していますね。
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