オリックス2014決算 部門利益と事業比較

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オリックス2014年3月期決算を見れば、部門利益が好調であり、利益水準が回復しています。オリックスのリーマンショック前と事業比較をすれば、有利子負債は減少していることが分かりますね。


(1)メガバンクの決算とオリックスの比較

オリックスは総合リース会社ですが、カードローンや投資銀行への出資など、金融事業の拡大を続けてきました。メガバンク2014年決算とオリックス決算を比較すれば、りそな銀行の最終利益は約2000億円ですので、オリックスの利益はメガバンク下位の銀行と変わらないことが分かりますね。

りそな銀行とオリックスは、カードローン事業で親密な関係にあることは、りそな銀行カードローンを見れば分かります。オリックスは、りそな銀行カードローンの保証会社になっており、小口金融のノウハウを保有していることが分かりますね。

メガバンクは、銀行融資の過当競争によって国内収益が伸び悩んでいますが、海外事業の拡大や子会社によって利益が増加しています。銀行や消費者金融を比較すれば、決算や利益だけでなく、サービスの違いや口コミなどを比較することもできますね。
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(2)オリックスの事業概要

  1. メンテナンスリース 国内首位
  2. 法人金融サービス 割賦や保証など
  3. 事業投資 ホテルやゴルフ場などを運営
  4. リテール カードローンや生命保険
  5. 不動産 不動産開発や住宅開発
  6. 海外 航空機や船舶のオペレーティングリース
オリックスは総合リース会社ですが、リーマンショック前までは不動産事業に積極的に取り組んでいました。オリックスの業績は、リーマンショックによって大幅に悪化したため、負債削減だけでなくリスク分散のための事業育成を行ってきたことが主要6セグメントから分かりますね。

オリックスは、主要セグメントの事業のうち、国内首位のリース事業や不動産事業は口コミで有名ですね。オリックスは、グループ会社にオリックス銀行やマネックスがありますので、小口金融のリテール分野も力を入れています。

ゴルフ場業界ランキングと動向をまとめましたが、オリックスはゴルフ場業界でもシェアを拡大しており、投資銀行として商社に似たような形のコングロマリットになっています。オリックスは、レンタカーやカードローンなどのリテール事業だけでなく、法人事業のリース関連が主力事業になってきました。

オリックスの取り扱っているものの中に、航空機や船舶のオペレーティングリースがあることに、違和感を感じた方はいると思います。オリックスだけでなく、リース会社は節税のためにオペレーティングリースを販売しており、利益繰り延べによる節税対策が有名ですね。

(3)オリックス2014年3月期決算 売上推移と利益推移

  1. オリックス2010年3月期売上高8873億円 オリックス2010年3月期当期純利益365億円
  2. オリックス2011年3月期売上高9389億円 オリックス2011年3月期当期純利益660億円
  3. オリックス2012年3月期売上高9648億円 オリックス2012年3月期当期純利益835億円
  4. オリックス2013年3月期売上高1兆558億円 オリックス2013年3月期当期純利益1119億円
  5. オリックス2014年3月期売上高1兆3417億円 オリックス2014年3月期当期純利益1868億円
オリックス2014年3月期決算を見れば、売上高と利益は好調に推移していることが分かります。オリックスの2015年3月期決算予想は、純利益2100億円を予想しており、リーマンショック以降で過去最高の利益予想になっていますね。

オリックス2007年3月期は、業績好調でしたが不動産に偏った事業ポートフォリオになっていました。オリックスは不動産に投資しすぎた結果、リーマンショックによる不動産不況によって、大きく経営が悪化していました。

オリックスの関西国際空港運営会社買収が儲かる理由をまとめましたが、2016年以降も、事業運営によるストックビジネスに力を入れていくようです。オリックスは、総資産に占める不動産の割合を低下させ続けるだけでなく、有望な事業に対する新規投資を継続してきました。

オリックスの2014年3月期決算は、オリックスが復活しただけでなく、2015年3月期も成長することを示しています。オリックスの事業ポートフォリオが変化していることは、オリックスの借金を見れば分かりやすいですね。

(4)オリックス2014年3月期決算 借金推移と有利子負債

  1. オリックス2005年3月期D/Eレシオ5.2倍
  2. オリックス2006年3月期D/Eレシオ4.7倍
  3. オリックス2007年3月期D/Eレシオ4.0倍
  4. オリックス2008年3月期D/Eレシオ4.3倍
  5. オリックス2009年3月期D/Eレシオ4.2倍
  6. オリックス2010年3月期D/Eレシオ3.3倍 オリックス2010年3月期有利子負債5兆2631億円
  7. オリックス2011年3月期D/Eレシオ3.0倍 オリックス2011年3月期有利子負債6兆0751億円
  8. オリックス2012年3月期D/Eレシオ2.8倍 オリックス2012年3月期有利子負債5兆8290億円
  9. オリックス2013年3月期D/Eレシオ2.3倍 オリックス2013年3月期有利子負債5兆5608億円
  10. オリックス2014年3月期D/Eレシオ2.0倍 オリックス2014年3月期有利子負債5兆3749億円
オリックスの2014年3月期決算は好調でしたが、売上や利益だけでなく、財務体質は大幅に改善していることが分かります。オリックスのD/Eレシオを見れば、借金依存の体質が変化しており、有利子負債が大幅に減少していますね。

オリックスの実態は、総合金融会社ですので、D/Eレシオが高いことは特に違和感はないですね。オリックスの経営で資金繰りが問題になったのは、リーマンショックによって、証券市場から資金調達できないうえに不動産売却が困難になったからです。

オリックスのD/Eレシオを見れば、リーマンショックで資金繰りが厳しくなった、2008年3月期からD/Eレシオの改善が続いています。オリックスの有利子負債を見れば、2011年3月期から2014年3月期にかけて、有利子負債が急速に減少していることが分かりますね。

(5)オリックスの買収と事業拡大

  1. オリックスのリース事業 景気回復で好調
  2. オリックスの不動産事業 大京を連結子会社化
  3. オリックスの海外事業拡大 韓国のエネルギー事業
  4. オリックスの海外事業拡大 ヨーロッパの資産運用事業
  5. オリックスのリテール事業 生命保険の新規契約が拡大
  6. オリックスのリテール事業 日本のハートフォード生命をオリックス生命が買収
オリックスの財務体質は、有利子負債減少で改善していますが、新規事業への投資を続けていると言えます。オリックスは本業のリース事業だけでなく、国内や海外の企業買収を積極的に進めており、事業規模は拡大していることが分かりますね。

メガバンク利益比較と部門利益をまとめましたが、海外企業への融資増加だけでなく、オリックスと同じように海外企業の買収で利益が増えています。オリックスとメガバンクの国内事業は、消費者金融のカードローンや保証事業が成長していることも共通していますね。

オリックスは高収益の企業として有名ですが、2007年3月期当期純利益1953億円、2008年3月期当期純利益1685億円を計上した後に、2009年3月期当期純利益207億円に転落していました。オリックスは不動産事業の割合が高まり過ぎたため、リーマンショックによる不動産不況によって、利益減少と資金繰り危機が発生していましたね。

オリックスの2014年3月期の収益力は、リーマンショック前の水準に戻っていることが分かります。オリックスの投資内容を見れば、不動産事業に偏るのではなく、積極的な投資を行ってリスク分散していることが分かりますね。

(6)オリックスのメガソーラー開発計画と再生可能エネルギー投資

  1. 北海道電力 オリックスのメガソーラー4ヶ所 97.4MWの出力規模
  2. 東北電力 オリックスのメガソーラー3ヶ所 7.1MWの出力規模
  3. 東京電力 オリックスのメガソーラー13ヶ所 45.3MWの出力規模
  4. 北陸電力 オリックスのメガソーラー1ヶ所 2.5MWの出力規模
  5. 中部電力 オリックスのメガソーラー8ヶ所 77.2MWの出力規模
  6. 関西電力 オリックスのメガソーラー2ヶ所 7.2MWの出力規模
  7. 中国電力 オリックスのメガソーラー2ヶ所 7.6MWの出力規模
  8. 四国電力 オリックスのメガソーラー3ヶ所 17.0MWの出力規模
  9. 九州電力 オリックスのメガソーラー30ヶ所 94.9MWの出力規模
  10. 沖縄電力 オリックスのメガソーラー0ヶ所 0.0MWの出力規模
電力市場自由化の動向 新規参入企業の経営比較をまとめましたが、オリックスは最大1500億円の投資を発表しており、エネルギー分野に積極的な投資を行っています。オリックスは2014年3月末時点で、日本全国の66ヶ所にメガソーラーを保有しており、356メガワットの発電設備を保有しており、年間39290万kWhの予想発電量ですね。

オリックスのメガソーラーによる収益は、1kwh当たり最大40円を単純に考えれば、全て稼動すれば年間100億円以上の収益になりそうですね。オリックスはメガソーラーだけでなく、火力発電所への投資も検討しており、電力販売が有力な収益になりそうです。

オリックス2014年3月期決算は、部門利益と事業比較を行えば、リーマンショックのときよりもリスク分散と財務改善が進んでいます。オリックスは2015年3月期の純利益が、リーマンショック前の過去最高利益を予想していますが、財務改善とリスク分散を続けながら将来への投資を行っていますね。
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