リソー教育の粉飾決算 債務超過で上場廃止か

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リソー教育は粉飾決算を行っており、債務超過の年度もあり悪質ですね。リソー教育は黒字倒産の防止で、粉飾による公募増資を行っており、信頼失墜で上場廃止のリスクがありますね。


(1)粉飾決算と倒産危機

銀行は赤字決算になれば、新規融資を受けることが困難になりますので、粉飾決算を行う会社はありますね。悪質な粉飾決算が発覚すれば、銀行融資は不良債権の扱いとなることがありますので、銀行融資の審査に落ちて新規融資を受けることはできないことが多いですね。

上場企業は、株価上昇や配当を行うために、粉飾決算を行って利益を増やす会社があります。上場企業の粉飾決算は、株価下落による株主代表訴訟の対象になるうえに、監査法人の信頼が暴落することに繋がります。

粉飾決算が発覚した上場企業は、上場廃止のリスクもありますので、株価の暴落や乱高下することになる可能性もあります。株式の空売りや株式暴落後に購入することで、多額の投資利益を計上している、個人投資家やファンドもあるようですね。
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(2)リソー教育の業績

  1. リソー教育2011年2月期決算 売上高188億円
  2. リソー教育2012年2月期決算 売上高201億円
  3. リソー教育2013年2月期決算 売上高218億円
  4. リソー教育2011年2月期決算 当期利益14億円
  5. リソー教育2012年2月期決算 当期利益13億円
  6. リソー教育2013年2月期決算 当期利益15億円
  7. リソー教育2011年2月期決算 自己資本29億円
  8. リソー教育2012年2月期決算 自己資本33億円
  9. リソー教育2013年2月期決算 自己資本56億円
  10. リソー教育の上場先 東証一部上場企業 監査法人は九段監査法人
リソー教育の粉飾決算は、6年間で83億円の売上水増しを行っています。リソー教育の自己資本は、2013年2月期決算で56億円なので、債務超過で上場廃止リスクがあることが簡単に見ても分かりますね。

リソー教育の粉飾決算は、売上高と自己資本に対して過大な金額となっており、純資産の中身によっては倒産リスクがあると言えそうです。リソー教育は本来であれば債務超過でしたが、粉飾決算で過小資本を誤魔化して増資を行っており、取締役が逮捕されないことが不思議なほど悪質ですね。

(3)リソー教育の過年度決算修正 代表的な数値

リソー教育2012年2月期決算修正の代表項目

  1. リソー教育2012年2月期決算 当期純利益11億3100万円
  2. リソー教育2012年2月期決算 当期純利益9900万円に修正
  3. リソー教育2012年2月期決算 純資産24億1500万円
  4. リソー教育2012年2月期決算 債務超過2億2200万円に修正
リソー教育の粉飾決算について、2014年2月10日に第三者委員会の調査報告書受領に関するお知らせを発表しているので見てみましょう。リソー教育は6年間の決算修正を行っていますが、2012年2月期に債務超過となっており、粉飾決算で違法配当を行っていたことが分かりますね。

リソー教育2013年2月期決算修正の代表項目

  1. リソー教育2013年2月期決算 当期純利益11億5000万円
  2. リソー教育2013年2月期決算 当期純利益9100万円に修正
  3. リソー教育2013年2月期決算 純資産43億6600万円
  4. リソー教育2013年2月期決算 純資産6億6900万円に修正
  5. リソー教育2013年7月に公募増資 460万株 ドイツ証券が主幹事で海外
リソー教育の決算修正で、2012年2月期決算と2013年2月期決算は粉飾決算が極めて重要な意味があります。リソー教育は前年が債務超過であり、翌年は大幅な利益水増しを行っていますが、配当と増資を行っています。

リソー教育は違法配当を続けている容疑はありますが、本来であれば過少資本と過少利益により、増資に失敗していた可能性があります。リソー教育は、メインバンクの三菱東京UFJ銀行グループではなく、ドイツ証券を主幹事として海外で増資を行っている点も注目ですね。

リソー教育の粉飾決算と公募増資

  1. リソー教育2013年8月中間決算 当期純利益500万円
  2. リソー教育2013年8月中間決算 当期純損失9億9000万円に修正
リソー教育は粉飾決算を続けていますが、2013年8月の中間決算で大幅な赤字を粉飾しています。リソー教育は6年間の粉飾決算で債務超過の年度はありますが、直近の決算修正後の業績悪化もひどいですね。

リソー教育関連の塾や家庭教師を利用している人にとって、業績が悪化していれば利用していなかった人は多いと思います。リソー教育のような学習塾は、前払金を運転資金としていますが、粉飾決算で倒産危機の会社に大金を預ける顧客は考えにくいため、資金繰り倒産のリスクが極めて高いですね。

太陽商会 粉飾決算と上場廃止をまとめましたが、新興企業でも債務超過を粉飾決算で解消していた企業があります。リソー教育と太陽商会の粉飾決算を比較すれば、東証一部上場企業と名証セントレックスの新興企業が、債務超過回避のために粉飾決算を行っている類似点が分かりますね。

(4)リソー教育 粉飾決算の方法と疑問点

リソー教育 主要子会社の会社概要 有価証券報告書を参照

  1. TOMAS トーマスは進学塾で個別指導を行う リソー教育で最も有名
  2. 名門会 家庭教師派遣教育
  3. 伸芽会 幼児教育事業
  4. 日本エデュネット インターネットテレビ電話教育事業
  5. リソー教育企画 リソー教育の生徒募集勧誘事業
  6. リソーウェルフェア その他

リソー教育の粉飾決算 第三者委員会が不正会計の責任に言及

  1. 前払金で粉飾決算 退会後に返金される受講料を売上計上
  2. 無料授業で粉飾決算 授業料を受け取ったように仮想して売上計上
  3. 授業料返金で粉飾決算 生徒の欠席による返金を当日欠席に仮想して売上計上
  4. 契約書偽造で粉飾決算 録画授業の視聴事業に関する契約書を偽造して売上計上
  5. ご祝儀として粉飾決算 生徒の早期合格で残りの期間は保護者の了解を得て売上計上
  6. 第三者委員会の報告書 創業者であり大株主の会長は関与していない
  7. 第三者委員会の報告書 現場管理者が中心となって売上目標のために粉飾決算
リソー教育の粉飾決算は、売上高を過大に計上することで粉飾決算を行っていることが分かります。リソー教育や語学学校などは、多額の前払金を受け取り運転資金としていますので、売上計上による会計操作は行われやすいことが分かります。

東芝粉飾決算で株価暴落をまとめましたが、リソー教育と東芝は粉飾決算の中身は違うことが分かりやすいと思います。上場企業は、大企業で公認会計士の監査があるため安心している方も多いと思いますが、企業規模や業種に関わらず粉飾決算は発生してきました。

リソー教育の第三者委員会が発表した報告書は、現場管理者の責任としていますが、報告書の中で取締役の容疑者としての問題点を指摘しており大きな疑問点があります。リソー教育の粉飾決算は、売上を過大計上しても前払金は返金するため、キャッシュフロー計算書で現金流出が続きますので創業者が気付かない事は不思議ですね。

(5)リソー教育の経営陣 取締役の責任

  1. リソー教育会長 岩佐実次 創業者会長は関与がないと第三者委員会が言及
  2. リソー教育社長 宮下秀一 2012年6月に亡くなる 不正計上の黙認を幹部が言及
  3. リソー教育社長 伊東誠 元専務で2013年9月2日付で昇進 粉飾決算の黙認
  4. リソー教育常務 赤尾光治 粉飾決算の指示と黙認を認める 証拠のメールがある
  5. リソー教育取締役 吉田信司
  6. リソー教育取締役 小松亨
  7. リソー教育常勤監査役 河村國一 第三者委員会が責任に言及
  8. リソー教育監査役 内川清雄 中村敏明 上野藤吉 粉飾決算発覚に尽力か
リソー教育取締役は、粉飾決算による違法行為を行っていますが、第三者委員会は調査結果を公表しているので見てみましょう。リソー教育の取締役は、粉飾決算を認識していながら、不正経理の指示を行っている証拠が見つかっているようですね。

リソー教育の第三者委員会の報告で気になるのは、創業者である岩佐会長が粉飾決算を知らないとしている点ですね。リソー教育の岩佐実次会長は、2008年4月までリソー教育の社長に就任しており、取締役会長になっても取締役会には参加しています。


リソー教育の監査役に、東京の品川税務署長や渋谷税務署長を経験した、大物OB税理士がいるようですが監査の過程で何か気付かなかったのか気になりますね。リソー教育の粉飾決算で、外部の監査役が不正経理の実態把握にどのような役割を果たしたのかも注目ですね。

(6)リソー教育と取締役の違法性 刑事責任と民事責任

リソー教育取締役の刑事責任

  1. リソー教育取締役の刑事責任 違法配当
  2. リソー教育取締役の刑事責任 特別背任罪
  3. リソー教育取締役の刑事責任 有価証券報告書等虚偽記載罪
  4. リソー教育取締役の刑事責任 有価証券の偽計募集罪 2013年6月の54億円公募増資
  5. リソー教育取締役の刑事責任 有印私文書偽造罪
  6. リソー教育取締役の刑事責任 第三者委員会は刑事責任追及は困難という立場

リソー教育取締役の民事責任

  1. リソー教育取締役の民事責任 剰余金を超える違法配当を、取締役が支払う責任
  2. リソー教育取締役の民事責任 株式を取得したものに取締役や監査役が損害賠償
  3. リソー教育取締役の民事責任 違法行為を行った取締役の任務懈怠を追及する責任
  4. リソー教育取締役の民事責任 第三者委員会は会長とその他取締役に区分
  5. リソー教育取締役の民事責任 常勤監査役と社外監査役で区分
リソー教育は上場企業ですので、粉飾決算発覚により株価は暴落しており、株主は多額の損失が発生しています。リソー教育の取締役の責任について、第三者委員会がまとめていますが、資金調達や違法配当など項目が多いですね。

ベネッセ情報流出の影響まとめを見れば、教育関連企業は少子高齢化によって、競争は激化していると言えます。リソー教育やベネッセのように、子供向けサービスの大手企業は不祥事が発生すれば、社会的な影響は大きくなりやすいですね。

リソー教育取締役の刑事責任と民事責任を見ると、刑事責任がないとなれば、上場企業の粉飾決算は常にあり得るうえに株式市場の信頼性が失墜することになりそうです。リソー教育の第三者委員会による報告書で特徴的なのは、創業者の岩佐実次会長について責任がないという立場を貫いていることですね。

(7)リソー教育の銀行融資 三菱東京UFJ銀行がメインバンク

リソー教育 短期借入金 2013年2月決算

  1. 三菱東京UFJ銀行の短期融資 8億5100万円
  2. 三菱UFJ信託銀行の短期融資 4億8100万円
  3. 三井住友銀行の短期融資 3億円
  4. みずほ銀行の短期融資 1億5200万円
  5. 横浜銀行の短期融資 1億円

リソー教育 長期借入金 2013年2月決算

  1. 三菱東京UFJ銀行の長期融資 3億7500万円
  2. 三井住友銀行の長期融資 2億5000万円
  3. 三菱UFJ信託銀行の長期融資 1億6000万円

リソー教育 短期融資と長期融資合計 2013年2月決算

  1. 三菱東京UFJ銀行の融資 12億2600万円
  2. 三菱UFJ信託銀行の短期融資 6億4100万円
  3. 三井住友銀行の短期融資 5億5000万円
  4. みずほ銀行の短期融資 1億5200万円
  5. 横浜銀行の短期融資 1億円
リソー教育は2010年12月13日に期間5年、利率0.72%で4億円の社債を発行しており、毎年1億円の社債償還を行っています。リソー教育の融資残高を見ると、三菱東京UFJ銀行グループがメインバンクとなり社債償還の資金調達も行っていることが分かりますね。

リソー教育の粉飾決算は、大手銀行や公認会計士に気付かれずに行っていたようですが、粉飾決算を行っていなければ資金繰り倒産していた可能性がありますね。リソー教育が粉飾決算を行っていなければ、債務超過になっている年度がありますので、銀行融資や公募増資による資金調達に失敗していた可能性があります。

リソー教育は大規模な粉飾決算を行っていますので、銀行から追加融資を受けるのは不可能に近いと言えそうです。リソー教育の取締役は、粉飾決算で多額の損害賠償請求を行われそうですが、塾の信頼低下で解約が激増しそうですので、債務超過による上場廃止になるかもしれないですね。
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