篠田プラズマ倒産破綻の理由

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篠田プラズマは曲がる薄型ディスプレイで有名な会社ですが、増資を繰り返した末に資金繰り倒産しています。篠田プラズマの破綻を見ると、企業や家計は資金繰り確保が重要であることが分かりますね。


(1)収益と資金繰り倒産

会社は、赤字や黒字に関係なく手元資金の確保が重要になります。黒字倒産と言われることがありますが、会計上の利益があったとしても、仕入代金の支払いや手形決済などの資金がなければ資金繰り倒産することになります。

消費者金融のアイフルが倒産危機となっていましたが、過払い金返済による財務の悪化、貸金業法改正による収益力の低下により、会社の信用力が悪化して厳しい資金繰りとなりました。財務の悪化に加えて会社の赤字が続くと、銀行から新規融資を受けられず融資返済を求められたり、取引先が現金取引以外を断ることがあります。

会社は運転資金の銀行融資を受けますが、家計で考えるとカードローンやクレジットカード支払い、携帯電話端末などの分割払いでやり繰りしている人が多いですね。私達の身近な事例で考えると、高収入で低貯金の家庭は突然の支出が発生したり、収入が減少すると家計が破産することになります。
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(2)篠田プラズマの製品 曲がるパネル

  1. 2005年 6月27日 篠田プラズマ 会社設立
  2. 2006年 7月28日 兵庫県 新産業創出支援事業認定
  3. 兵庫県 新規成長事業認定
  4. 神戸市 特定事業計画認定
  5. 2007年 3月31日 篠田傳(つたえ) 代表取締役会長や研究員が富士通を退職
  6. 2007年 4月1日 篠田傳会長や研究員が篠田プラズマに移籍
  7. 富士通株式会社から本事業関連技術の譲渡
  8. 2008年 1月28日 材料・製造装置開発強化のアライアンス アルバック 藤森工業 大電
  9. 2008年 6月27日 篠田傳氏が代表取締役会長兼社長に就任
  10. 2009年 4月6日 SHiPLA 日経BP技術賞受賞
  11. 2009年 7月16日 平成21年度 第3回ものづくり日本大賞 経済産業大臣特別賞 受賞
  12. 2009年 11月17日 平成21年度 地方発明表彰 中小企業庁長官奨励賞 受賞
  13. 2010年 1月25日 関西フロントランナー大賞2010 審査員特別賞 受賞
  14. 2011年 5月11日 中小企業優秀新技術・新製品賞 審査員特別賞 受賞
  15. 2011年 5月26日 兵庫県発明賞受賞
  16. 2011年 11月21日 発明協会会長奨励賞、実施功績賞受賞
  17. 2012年 2月3日 平成23年度国内立地推進事業費補助金に採択
  18. 2012年 11月16日 平成24年度近畿地方発明表彰 発明奨励賞 受賞
  19. 2013年 6月18日 平成25年度全国発明表彰 21世紀発明奨励賞 受賞
篠田プラズマが倒産するまでの会社沿革について、簡単にまとめると上記のようになります。篠田プラズマは、曲がるディスプレイを生産していることで有名ですが、冒頭の渋谷ヒカリエや関西国際空港、兵庫県立美術館、東京スカイツリーなどに製品を納入しています。

富士通は2005年2月にプラズマ撤退を発表しており、シャープやアルバックに事業譲渡を行っており、富士通がプラズマをリストラした時期に篠田プラズマは創業しています。富士通は1992年に世界で初めてプラズマテレビを発表しましたが、篠田傳社長は富士通プラズマテレビ開発の立役者でした。

篠田傳社長は富士通明石工場に配属されましたが、明石工場は赤字なうえに、篠田傳社長は急性肝炎で長期間病気で倒れています。GEや3Mのポストイットなど、業務とは関係のない所で開発していた製品がヒットすることがよくありますが、篠田傳社長も本社が中止を決めたプロジェクトを継続して製品化に成功しています。

(3)篠田プラズマの業績推移と破綻危機

  1. 2011年3月期 篠田プラズマ決算 売上高289,060千円 当期純損失339,243千円
  2. 2012年3月期 篠田プラズマ決算 売上高203,000千円 当期純損失235,000千円
  3. 2013年3月期 篠田プラズマ決算 売上高17,000千円 当期純損失284,000千円
篠田プラズマの業績推移について、2013年11月20日の東京商工リサーチが報じているので見てみましょう。篠田プラズマは曲がる薄型ディスプレイの技術が高く評価されており、テレビや雑誌などマスコミで紹介されることが非常に多い会社でした。

篠田プラズマは技術力があり非常に個性的な会社ですが、3期連続の赤字となっており、事業継続が困難になっていることが分かります。篠田プラズマの倒産について、2013年11月19日の神戸新聞は、篠田プラズマの全社員30人解雇と金融機関や取引先へ支払停止したことを報じています。

花鳥園 倒産民事再生の理由は、篠田プラズマと同じポートアイランド二期地区にあり、立地は非常に近い場所にあります。篠田プラズマなど企業は、神戸市が産業誘致のために土地価格を引き下げたり税金優遇措置を行っていますが、ポートアイランド二期地区は空地が目立っており開発失敗と言えます。

(4)篠田プラズマの増資と倒産

  1. 2005年6月27日 資本金 1,000万円で設立
  2. 2006年10月13日増資 資本金 5,555万円
  3. 2008年3月31日増資 資本金 25.872万円
  4. 2008年4月23日増資 資本金 275.975千円
  5. 2008年12月31日増資 資本金 644.202千円
  6. 2009年3月31日減資 資本金 144.200千円
  7. 2011年4月増資 資本金 448,087千円
  8. 2012年9月28日増資 資本金 478,102千円
会社は一般的に赤字になると資本は減少しますので、赤字が継続したり巨額の赤字が発生すると債務超過になります。債務超過は会社の倒産を示す兆候ですので、金融機関からの新規融資や取引先から取引を敬遠されることになります。

篠田プラズマは3期連続で、売上高を超える赤字を計上しており資金繰りが厳しかったようですが、債務超過の解消か軽減は増資の繰り返しにより回避していた可能性が高いですね。篠田プラズマの増資について見ると、2009年3月31日に減資をしており、減資差益の計上で累積損失を一掃したのではないでしょうか。

資金繰り倒産 銀行ローンで回避をまとめましたが、会社の資金繰りは銀行融資で運転資金を調達することが多いですね。篠田プラズマは、増資による資金調達を行っていますので、将来性について取引先やベンチャーキャピタルから有望視されていたことが分かります。

(5)篠田プラズマの今後

  1. 篠田プラズマ民事再生申請の理由
  2. 篠田プラズマのスポンサー探しと事業再建
  3. 篠田プラズマの技術によるイノベーションの可能性
ビジョンメガネ倒産民事再生の理由は、業績の悪化ですが、スポンサー候補を探しており企業債権を模索するようですね。篠田プラズマは事実上の資金繰り倒産となっており、民事再生法を申請するまでに、スポンサー探しなどの十分な時間を得られなかった可能性があります。

篠田プラズマの沿革を見ると2013年に増資は発表しておらず、業績も赤字であったため資金繰りが厳しかったと言えます。篠田プラズマは技術力のある会社ですので、スポンサーを探して事業再生を目指しています。篠田プラズマの倒産を見ると、会社や家計の資金繰り確保が破綻回避のために重要ですね。。
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2 件のコメント:

  1. 篠田ディスプレイの経営再建計画はどうなってるの?存続するん?

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    返信
    1. >匿名さん
      匿名さん、こんにちは^^
      篠田プラズマは、従業員30人を解雇していますので、破産も視野にいれているのか気になるところです。

      篠田プラズマのような面白い会社は、中国や韓国、台湾などの会社も興味を示すのではないかと、勝手に妄想しています。
      篠田プラズマに巨額の負債があったのは、設備投資負担や研究開発費があったと思うのですが、銀行団と話をまとめて、スポンサーを探して再建できることに期待したいですね。

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