2013年10月1日火曜日

アイフル倒産と審査

アイフルは倒産危機となっており、外資系債権者から破産申し立ての可能性が示唆されています。アイフルは私的整理で金融機関と合意しているため、銀行の新規融資は審査が厳しいですね。

(1)消費者金融の倒産と資金繰り

家計は、ライフステージによる支出と想定外の支出がありますので、お金がない場合でも乗り越える必要があります。ライフステージによる支出は、結婚や出産、子供の進学や自宅の購入などが代表的なものとしてありますね。

想定外の支出は冠婚葬祭や知人の誕生日など、個人によって異なると思いますが、給料日前で手元資金がないことはありますよね。親戚や知人から借金をすると、金銭トラブルや心配をかける可能性がありますので、一時的な資金調達を行い乗り切る必要があります。

大手銀行と提携した消費者金融に対して、独立系の武富士は資金調達ができず倒産しています。カードローンは、メガバンクがアコムなどの消費者金融と提携して、積極的に融資を行う方針を示していますね。
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(2)アイフルの事業再生ADRと銀行融資

  1. 消費者金融の過払い金返還の増加
  2. 2009年9月 アイフルが事業再生ADR申請 債務整理による経営再建
  3. 2009年12月 アイフルの事業再生ADRが金融機関と成立
  4. 2014年7月10日 債務弁済の期限
  5. 金融機関64社の借入金2721億円 分割返済と返済猶予
  6. 借入金2721億円 760億円は分割返済
  7. 借入金2721億円 1961億円は返済猶予 2010年3月末時点
アイフルも銀行傘下に入らず資金繰りが悪化していることを、2013年10月5日のダイヤモンドが報じているので見てみましょう。消費者金融は過払い金返還の増加により、銀行傘下に入る消費者金融や計画倒産したと思われる消費者金融がありました。アイフルは銀行傘下に入らず、独立系の消費者金融として存続するために債務整理を行っていますね。

大手銀行と提携している消費者金融は、低い金利で多額の借金が可能ですので資金繰り倒産する可能性は極めて低いです。アイフルは金融機関からの借金返済のために、資金繰り対策で倒産危機を回避する必要があります。

アイフルは債務の返済猶予を受けていますので、独立系の消費者金融を維持しながら、大手銀行からの追加融資を受けるのは非常に困難です。アイフルの借金を見ると、債務整理後に借金の残高は減少していることが分かります。

アイフル金融支援2014 創業者一族と外資金融の交渉理由をまとめましたが、2014年7月期限の事業再生ADRは延長することになりそうです。アイフルは倒産回避しましたが、銀行融資や社債発行の金利は高いため、厳しい資金繰りが続きそうですね。

(3)アイフル銀行借入の減少

  1. 2013年6月末返済実績 936億円を返済しており計画以上のペースで借金返済
  2. 2013年6月末借入残高 アイフルの借金は1785億円
  3. 2014年6月末借入残高 アイフルの借金は1620億円の予定
アイフルは倒産を回避するために事業再生ADRを行いましたが、借入残高は順調に減少しています。アイフルの借入返済は、2013年6月末時点で760億円の返済金額を超えていますので、借金返済は順調であることが分かります。アイフル借金残高は、2014年6月末が返済予定金額が大幅に上回っているため、金融機関と約束した金額よりも借金残高は少なくなっています。

計画倒産のメリットを考えるときに、倒産と会社存続で取引先にとってどちらの方が有利になるのかを考えることが重要になります。エドウィン倒産危機 ADRの理由を比較すると、アイフルは上場している貸金業者のため、資金繰りが安定しており、増資や会社売却で債権回収の見込みがあります。アイフルの融資返済ペースは当初予定よりも早いため、計画倒産するよりも債権者の融資回収金額が多くなっている可能性が高いですね。

審査のゆるいカードローン比較通過と破綻を考えると、銀行系列の消費者金融は資金繰りで安定感があると言えます。アイフル以外の消費者金融について見てみると、カードローンのサービスとして、融資返済を短期で行えば融資金利を免除する金融サービスも行っているようですね。

(4)アイフルのリストラ 2006年3月期と2013年3月期の比較

  1. 店舗数2722店 651店
  2. 地代家賃等213億円 24億円
  3. 社員数10237人 2057人
  4. 人件費582億円 136億円
  5. 支払手数料284億円 97億円
  6. 広告宣伝費280億円 38億円
  7. 営業費用合計4244億円 849億円
アイフルのリストラを見ると営業費用が大幅に減少しており、多額の債務返済が進んだ理由であるあることが分かります。アイフルだけでなく倒産危機の企業はリストラを行いますが、アイフルは保有していた投資有価証券や不動産などの資産も売却を進めています。

篠田プラズマ倒産破綻の理由を見ると三期連続の最終赤字であり、増資を繰り返していたものの業績悪化で事業継続を断念したようです。アイフルの有利子負債は2009年3月末1兆0182億円でしたが、2013年3月末は3083億円に大幅減少しています。アイフルはリストラに成功しているように見えますが、企業規模が縮小しているうえに、収益を増加させる環境は引き続き厳しいようですね。

ローン審査基準破綻 通らない理由でまとめましたが、反社会勢力への融資で銀行系列の消費者金融と信販会社は審査の整備を進めていました。アイフルなど独立系の消費者金融などで、審査が甘い可能性が懸念されていましたが、業界団体を通して情報提供されそうですね。

(5)外資系債権者の増加と倒産リスク

  1. 2013年3月期 新規契約数の増加87513件 前年比42%の消費者金融新規契約の増加
  2. 過払い金返還 月間6000から7000件で消費者金融各社はこの2年間横ばい
  3. 外資系債権者の増加 2009年12月末2.4% 2013年6月末29.8%
  4. 外資系債権者がアイフルを倒産させて短期回収を行う可能性
アイフルはテレビCM効果により新規契約数が大幅に増加しており、営業貸付残高の減少が緩やかになっており収入は予定よりも順調になっているようです。アイフルは過払い金返還が想定より減っていないため、資金繰りの倒産危機は依然として継続しているようですね。

アイフル倒産リスクを考えると、ヘッジファンドの外資系の債権者が増加しており、債権者が倒産申し立てを行うリスクが高まっている点に注意する必要があります。アイフルの倒産リスクが高まれば、金融機関が融資を審査する際にリスクとして考慮する可能性はありますね。

アコム審査甘い理由 審査ゆるい三菱UFJ銀行融資をまとめましたが、アコムは三菱UFJ銀行などが万全の支援を行っていますね。アイフル倒産の可能性は、大口債権者の動向によって変わりますが、独立系消費者金融と銀行系列消費者金融で経営に大きな差がでていることが分かります。

アイフルADR期限2014融資返済ポイントを見れば、外資系債権者への対応を、社債発行で行うことが分かります。アイフルの返済計画は、2014年7月ですが現状を見れば、リスケジュールを行った銀行融資は返済継続しそうですね。

(6)アイフルが倒産しない方法

  • 金融機関に残りの債務を全額返済
  • 金融機関からの借金を銀行で借り替え
  • アイフルの借金を肩代わりするスポンサーを探す
アイフルは倒産危機を債務整理によりしのいでいましたが、2014年7月10日までに債務の全額返済・借金の借換か債務の肩代わりを行うスポンサーを探さなければなりません。アイフルは2014年7月10日までに、資金繰り倒産を防ぐために対策を行う必要があります。

武富士 倒産と過払い金訴訟をまとめましたが、武富士を買収したのはJトラストですね。アイフルが倒産危機の中で消費者金融のブランド力を獲得するために、Jトラストがアイフル買収を行うのかが注目ですね。アイフルは倒産危機の経営が続いてますが、消費者金融の有力ブランドとして買収に乗り出す企業が現れるのか注目ですね。

アイフル審査通らない理由と倒産危機を見ると、消費者金融の中で経営状況に差が出ていることが分かります。アイフルは独立系の消費者金融ですが、プロミスは三井住友銀行系列、アコムは三菱東京UFJ銀行系列として銀行とローンの提携関係を深めていますね。

(7)消費者金融の倒産と買収

  1. アイフルが銀行グループで資金支援
  2. アイフルが他社と資本提携で資金支援
  3. アイフルが消費者金融の他社に買収される
アイフルは、財務面を見ると金融機関への融資返済は順調ですが、手元資金で融資返済を進めていますので資金繰りが厳しい状況は継続します。アイフルが資金繰り倒産する可能性は、当面ないと思いますが、外資系企業が債権買収を継続している状況は経営が不安定と言えますね。

プロミス審査甘い理由 審査ゆるい三井住友銀行融資を見ると、三井住友銀行グループでプロミスが経営再建に成功しています。プロミスは数百億円の社債償還を行っていますが、銀行融資を得ることで、アイフルのように資金繰りが困難になっていないことが分かります。

Jトラスト評判 消費者金融倒産と買収を見ると、Jトラストは消費者金融や商工ローンなどの買収で事業規模を拡大しており、増資により手元の現預金は1500億円以上を確保しています。アイフルは事業再生ADRにより倒産危機は回避していますが、Jトラストが貸金業界の中で業績拡大を続けており買収や提携するのか気になりますね。

消費者金融大手は、アイフルは独立系消費者金融ですが、アコムやプロミスはメガバンク系列になり経営再生しています。アイフルだけでなく、大手消費者金融の業績回復によって、利用者にとってカードローンを使いやすい経営環境になっていますね。
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3 件のコメント:

  1. 書かれているようにアイフルは過払い金返還の問題が残っていると思います。
    Jトラストが武富士を買収したのは会社更生で過払い金問題がなくなったためと思います。
    この理屈だと、アイフルも会社更生をして過払い問題をなくさないと
    Jトラストのアイフル買収はないのではないでしょうか?

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    1. >匿名さん
      匿名さん、こんばんは。
      アイフルと外資系債権者、J-トラストについて以下は管理人の妄想です。

      アイフルのADR対象債権について、海外債権者の構成比率が上昇しています。
      海外債権者の構成比率については、補記します^^

      Jトラストの買収について、匿名さんの仰る方法以外にも、あくまで私の妄想です。

      外資系債権者は、アイフルのADR債権を不良債権として買い集めている可能性が高いと考えています。
      不良債権であれば、ポンカスであれば債権の額面金額から考えると、価格は非常に安くなります。

      海外債権者が安価にアイフルのADR債権を入手していると破綻させたほうが、短期間で投資金額とリターンを回収できる経済合理性が発生します。
      ADR債権の支払期日である2014年7月10日は、そういう意味では、債権の買取請求を見るうえで一つのポイントとなるかと思います。

      債権者破産、会社更生法の申請の後に、スポンサーに名乗り出る会社があっても、おかしくはないのかなぁと考えております。外資系債権者にとって、債権者配当が買取価格よりも多く見込めるのであれば、儲かるのでおいしいのでしょうね^^

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    2. >匿名さん
      J-トラスト2013年6月末の現預金残高とアイフルの残債が近いことで、ダイヤモンドは債権買取が行えると示唆しています。
      現実を考えると不良債権ですので、債権買取りであれば、減額して購入するのではないでしょうか。

      林原の倒産の事例を考えると、会社更生法を申請していますが長瀬産業の高額買収により、債権者配当は90%超となっています。
      妄想ですが、アイフルが会社更生法申請後のスポンサーを探して、買収する企業が十分な資金を提供するのであれば、債権者は満足するのでしょうね^^

      アイフルを買収する側は過払い金から逃れて、債権者が十分な配当を得られるのであれば、十分な経済合理性はあるのかもしれませんね^^

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