べんりーい食品工業 倒産の理由

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べんりーい食品工業が倒産していますが、倒産理由は大手のスーパーやコンビニとの競争激化ですね。べんりーい食品工業は資金繰りが悪化しているなか、不良債権発生が倒産に繋がっています。

(1)倒産と不良債権

不良債権で思い浮かぶのは、銀行の方が多いと思いますが、企業の日常取引でも不良債権は発生します。企業が、取引先と営業活動を行うときに用いられるのは主に3つの手法です。
  1. 現金取引
  2. 掛け取引
  3. 手形取引
営業取引を現金取引だけで行うのは、小売業などに限られますので、掛け取引と手形取引を組み合わせる業界が多いと思います。企業は、売掛金や受取手形が倒産によって不良債権にならないように、与信管理が求められることになります。

(2)べんりーい食品工業が倒産の事後処理を弁護士に依頼

べんりーい食品工業、倒産の理由について、2013年7月5日の帝国データバンクが、弁当製造のべんりーい食品工業 倒産を報じているので見てみましょう。
べんりーい食品工業(株)(TDB企業コード270261213、資本金1200万円、川口市柳崎2-14-20、代表織田咲子氏ほか1名、従業員100名)は、7月5日までに事後処理を弁護士に一任した。
べんりーい食品工業が倒産の事後処理を弁護士に依頼していますが、倒産の理由に不良債権の発生があります。

(3)工場増設後の製造品目と販路

当社は、1980年(昭和55年)4月に設立された弁当等製造業者。86年8月に現本店不動産(事務所兼工場)を取得し、90年および92年に同工場を増設。おにぎり、弁当のほか、サンドイッチ、総菜などの製造を手がけ、量販店、学校、病院など数多くの販路を有し、2001年3月期には年売上高約55億5900万円をあげていた。
べんりーい食品工業は、工場増設後の製造品目と販路を見ると、製造の種類が多いため販路が広いことが分かります。
中小企業が工場増設や規模拡大後に、ブームの終了や売上高が減少すれば、すぐに倒産するため設備投資の失敗は倒産理由で一般的と言えます。
べんりーい食品工業は、工場増設の設備投資後に順調に売上高を拡大していたようですので、別の要因が倒産の理由となっていますね。

(4)新規参入業者の増加とスーパーやコンビニとの競合

しかし、その後は景気の低迷、個人消費の減退のほか、中食志向の強まりから弁当・総菜製造業界への新規参入業者が大きく増加。また、スーパー、コンビニエンスストアの台頭など他業態の攻勢もあり売り上げは徐々に減少し、2011年3月期の年売上高は約40億5900万円にダウン。
べんりーい食品工業が対象とする市場は、新規参入業者の増加とスーパーやコンビニとの競合により売上高が減少しています。

べんりーい食品工業は、大手スーパーやコンビニの企業規模や出店数が多いため、市場で競争に勝つのは困難と言えますね。

(5)資金繰りの悪化と不良債権発生

金融機関から返済猶予を受けながら再建を目指したものの、近時は取引先への支払い遅延、仕入れ業者の撤退、焦げ付き発生が重なるなど厳しい状況が続き、このほど事業を第三者に譲渡し、当社は整理する方向となった。負債は約30億円の見込み。
べんりーい食品工業は、返済猶予を受けており、金融円滑化法の対象企業であった可能性がありますが、仕入先と販売先の両面で厳しかったようですね。
  • 仕入先 べんりーい食品工業の支払い遅延で業者の撤退
  • 販売先 べんりーい食品工業が資金回収できず不良債権発生
べんりーい食品工業は資金繰りの悪化で倒産していますが、事業譲渡を引き受ける第三者が現れていますので、工場などは再生の見込みがありそうですね。
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16 件のコメント:

  1. 資金繰りの悪化のようですが、その前に職場改善が無視されて来たのが、かなりの割合だと思います。
    休憩出来ず、食事時間無し、常にサービス残業、これでは優秀な人材が残る筈がありません。出来るメンバーが減少し、仕方が無く中国人を雇う羽目になって行った。
    そして遂には品質低下に追い込まれた。当然末端の客が離れていきました。
    これを経営者が理解していたかどうか非常に疑問です。
    第三者がこれ等の事情をどの様に汲み取るかで、今後が決定されるでしょう。
    ちなみに私はほぼ毎日12~15時間立ちっぱなしでした。

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    1. >匿名さん
      匿名さん、こんばんは^^

      べんりーい食品工業のおっしゃる点について、中小企業は、雇用環境悪化と賃金切り下げがよくある話ですので、中小企業に同情できない点であると感じることがあります。

      べんりーい食品工業が、中国人の雇用に(自然に?)シフトしていったのであれば、待遇に問題があったのでしょうね。
      べんりーい食品工業の雇用環境について、匿名さんのおっしゃる通りであれば、労働基準法の観点からも気になります。

      べんりーい食品工業は事業譲渡を行っていると報じられていますが、新しい事業主には、労働環境の整備を望む方が多そうですね。

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  2. 私は11年位お世話になりました。環境は劣悪で今で言うブラックでしたが、そこでめぐり合った仲間は最高でした。忘年会、新年会、ボーリング、カラオケ、数人での飲み会、と大変お世話になりました。
    そこでただ残念なのは、べんりーいの人材育成、職場改善がゼロでした。これさえ出来ていれば、おそらく今でも続いているでしょう。
    在籍中はかなり仲間同士で話し合いが成されたものです。勿論我々下からの職場改善要求です。ですがことごとく拒否され、発言したものは配置転換され芽を摘まれました。
    就業規則も公開・配布されなかった中で、全編閲覧を申し出て、それをできたのはわたしだけでしょう。

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    返信
    1. >匿名さん
      匿名さん、こんばんは^^

      べんりーい食品工業の職場の方々とは、有意義なお時間を過ごされたのですね。
      べんりーい食品工業の人材育成や改善について、触れられていますが、職場改善の要求が進まなければ、改善によるコスト削減や経営改善は見込めなさそうですね。

      べんりーい食品工業が、就業規則について公開していない体制をとっていたのであれば、労基などから指摘があれば、いろいろと問題が発生しそうですね。匿名さんのように、交渉力のなかった方の中には、就業規則を知らずに搾取されていた方もいそうですね。

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  3. 今になって蒸し返すと言う事は、実に大人気ないのは重々解ってますが、一言よろしく。
    まず営業の社有車が全車BMW,社長車がジャガー、会長車がロールスロイス、これで先が見えると言うもの。
    会長社長が駐車場の奥のすみへ止めての出社なら良いのだが、会社の正面に堂々と止める。私の僻みが少し入っているが。
    儲けが無いと言われてた、発酵茶の権利は昨年前半やっと手放す。
    従業員との直接面談無しでの給料額面変更、私はいきなり半分になりました。
    私が入った時からすでに矛盾は少しずつ感じていました。
    今さらナニの御声が聞こえますが、第三者様のご検討お祈りします。
    くれぐれも外人、特に中国人には御注意願います。

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    返信
    1. >匿名さん
      匿名さん、こんばんは^^

      べんりーい食品工業の倒産の背景として、幹部が外車に乗っているというのは、一つの指標だったのかもしれないですね。
      べんりーい食品工業が、突然、給料を半減したのであれば、労基からの指導が入りそうな気もします。

      外国人に対する懸念を抱いているようですが、仰る通りと思います。
      外国人労働者の雇用増加が、日本人労働者の雇用条件が悪化する一つの要因となっていますよね。

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  4. 第三者様へのお願い。
    昨年の夏に辞めた者ですが、まだ友人が在籍してますがやはり気になるのが、2月頃からの未払い賃金です。
    回収金から払い不足分は国からの件、それが全部国の手続きになったと聞きましたが、できるだけ不利にならないように、お願いします。
    私は在籍中毎日の様に残業がありました。読んだ就業規則によると、残業が発生した場合ある手当てをオーバーした分は払うとありましたが、給料明細には1度も計算された旨の記入はありませんでした。
    夜9時から始まって朝9時前に帰ったことは殆どなかったのですが。
    会社は徹底的な利潤追求は当然ですが、同じくらい末端の従業員にも気を配って頂ければと思います、

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    1. >匿名さん
      匿名さん、こんにちは^^

      べんりーい食品工業、倒産の理由を見ると、労働環境で問題のある会社であったようですね。
      べんりーい食品工業で、残業代の未払いがあったのであれば、当局に相談するのはありかと思います。

      べんりーい食品工業が社員さんに対して、仮に給料の未払いがあれば。
      優先債権として、銀行融資などの一般債権よりも優先されることが、相談をお奨めする理由ですね。

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  5. 建物が違法建築と言うことで、再雇用が白紙になった様です。
    いつの間にか駐輪場も無くなってました。
    未払いの従業員は80パーセント支払いに期待して後の仕事を捜すのでしょう。
    12月頃からの未払いもあるそうです。
    今のむき出しの鉄骨を組む時、設計図無しで始めたと聞いてます。
    第三者様は土地と建物をどうするのでしょう。
    やはりワンマン経営はダメでした。

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    1. >匿名さん
      匿名さん、こんばんは^^
      べんりーい食品工業の建物が違法建築であったということは、銀行融資などの担保として認められません。

      会社の再編を考える際に、当然、不動産の資産を考慮にいれますが、それが見込めなくなって再建計画が狂ったのかもしれないですね。
      銀行融資に担保がおそらくついていると思うのですが、違法建築でしたら債権回収がまともに見込めないので、再建計画を拒否する債権者も現れそうですね。

      従業員が未払い給料の80%しか支払いを受けれないのであれば、一般の債権者にまで配当を支払う余力はなさそうですね。
      土地と建物を購入するとしても、違法建築ならば、銀行融資には利用できない可能性があると思いますので、更地になる可能性もありそうですね。

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  6. 会長はロールスロイスを数台保有、会長の愛人は社長でジャガー、配送部の社長は背中に刺青(元東北ヤ○ザ)BMW7シリーズ、営業にはBMW5シリーズを乗せ、幹部や営業や経理や事務はイエスマン以外は即解雇される。会社に貢献してきたベテラン営業を解雇。これから育つであろう若い営業を引っ張り数ヶ月で(品川の大手電気メーカー本社ビル、埼玉の大手自動車メーカー巨大工場などの食堂や売店と契約)実績も評価せずにイキナリ解雇。工場のパートさんも奴隷のように働かせ、会長や社長は疲れてる営業を無理矢理に引き連れて週3回は高級寿司店で宴会し、会長は飲酒運転で都内まで帰宅です。倒産して当然ですね。

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    返信
    1. >匿名さん
      匿名さん、こんにちは^^
      べんりーい食品工業のような中小企業では、経営者の発言力は非常に大きいですよね。

      中小企業は、大株主が社長など経営者一族であり、取締役が親族であることはよくあります。
      べんりーい食品工業の企業規模であれば、従業員の方が実績をあげても難しいものがあるのでしょうね。

      べんりーい食品工業が販路拡大で成長したということは、匿名さんの仰る通り優秀な営業マンがいたということと思います。
      べんりーい食品工業の経営者について、保有している自動車について言及されていますが、会社の経費であったのか倒産したのであれば気になりますね。

      べんりーい食品工業だけでなく、経営者が高級車に乗ることで、社員のモチベーションが上昇すると言うコンサルタントもいるようです。
      中小企業が社員に対して積極的に還元する会社であればよいのですが、社員への利益還元が少なくて、経営者が高級車に乗っていては社員のモチベーションは低下するのでしょうね。

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  7. 13日川口労働基準監督署で未払い給料の清算がありました。やっと80%が決まりそうです。
    7月に潰れたのに半年以上前から未払いの従業員もいるようです。
    今頃会長社長は外車で遊んでるのでしょうね。

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    返信
    1. >匿名さん
      匿名さん、こんばんは^^
      べんりーい食品工業と思いますが、未払い給料の清算が認められたのですね^^

      べんりーい食品工業のように、負債があって倒産したとしても、従業員の給与は優先されます。
      全額ではなかったということは、べんりーい食品工業が支払うべき税金や社会保険などがあったということなのでしょうかね。

      べんりーい食品工業の実態について皆様の口コミを見ていると、かなり厳しかったのが現状なのでしょうね。
      社員の方々に負担をお願いするのであれば、社長や役員の役員報酬カット、保有資産のリストラをすべきであるといつも感じています。

      茶月という会社が倒産したときは、社員の給料未払いによる申し立てであった記憶があります。
      べんりーい食品工業の経営実態は分かりませんが、社員やご家族の生活がありますので、会社の経営者が約束どおり給料を支払う会社経営が、最低限であると考えています。

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  8. べんりーい食品工業の資金繰りの悪化はそもそも1990年代終盤(はっきり覚えていません)に会長が飲料業界に手を出したことに始まります。
    会長の出身地である長崎県佐世保市において長崎飲料を設立しドリンク味噌汁を販売し、後に千酵茶(後の発酵茶)を販売しました。
    その資金がすべてべんりーい食品工業から出されており、まったく利益が上げられなかったために資金繰り悪化が始まりました。
    飲料業界は参入が難しく当時反対する声を押し切って商品の発売を行ってしまったのです。
    飲料業界参入当時は当時予定していた資金内で結果が得られない場合はそこで中止にする約束でしたが、それを無視して続けた結果資金繰りに悪影響を与えてしまったのです。
    また、2001年頃には経費節約のためコストの安い工業用水でお弁当に用いるご飯の炊飯もしていました。
    潰れるべくして潰れたと思います。

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    返信
    1. >sango beruさん
      sango beruさん、こんばんは^^
      べんりーい食品工業の資金繰りについて、情報を教えて頂き深謝です。

      新規事業の進出は、会社が倒産するきっかけになりやすいですよね。
      本業に投資したり融資返済すべき資金が、無駄な投資に消えてしまうのはよくある話と思います。

      べんりーい食品工業について見れば、sango beruさんの仰る通り、資金繰りが大幅に悪化する要因になったのでしょうね。
      べんりーい食品工業は、新規分野に進出するとしても、大手飲料メーカーや食品メーカーに対抗するのは厳しかったと思います。

      べんりーい食品工業が、工業用水を炊飯に活用していたとすれば、驚くべき話ですよね。
      べんりーい食品工業の従業員は、働いていて罪悪感を感じることになるでしょうし、人材定着に影響が出る気もします。

      食品関連は、信頼や安全が第一と考えますが、食品業界はいろいろと闇が深いのではないかと妄想してしまいました。

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